宇宙人と地底人と異世界人が日本全国を旅して侵略活動!?

煌木咲輝良由花

プロローグ


「これが、魔のヘアピンカーブか……!」

 操縦桿を握る青年の手に、力が入る。

 青年の顔には、小さく笑みが浮かんでいた。

(ここをクリアできなきゃ、先には進めないからな)

 彼が乗る機体は、地球ではUFOと呼ばれている──。


 ワープ空間的なところを走る(飛ぶ?)UFO。

 ワープと言っても、ワープシステムを起動すれば勝手にピューッと転移するわけじゃない。

 そういう技術が宇宙のどこかにはあるのかもしれないが、彼が乗る機体には、そんなシステムは搭載されていなかった。

(今度は連続するS字か。このワープホールは、相当なテクニカルコースだな。腕の見せ所だぜ……!)

 ワープホール内では、自動操縦が使えない。正確に言えば、使ったところで役に立たない。クラッシュするのがオチだ。

 ゆえに、アナログでマニュアルな操縦技術が重要となる。

(ここで使うか……!)

 エネルギーの大量消費と引き換えに、必殺技的なものを発動させる。

 無事にワープを成功させるには、制限時間内に、ワープホールを走破しなければいけないのだ。

「ヒュドラドリフト!」

 ぐねぐねしたコースを、華麗なドリフトで乗り越える。

 この機体は、テクニカルコースに対する適性が高い。逆に、ストレート主体のコースは苦手だった。

 今回は、機体とコースの相性がいい。

(これなら、ワープに成功するんじゃないか!)

 気が緩んだ。

「しまっ……!」

 コースに激突した。

 ワープホールの壁に突っ込むと、どうなるのか。

 その時その時で結果が違うので、何かが起こるまで、何が起こるのかは不明なのである──。

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