刀使ノ巫女について書くということのジレンマ

 刀使ノ巫女の第1話をたまらず観た。その内容を思い出してみると、こんな感じだ。

 

 岐阜県に、ふたりの中学校2年生の少女がいた。衛藤可奈美えとうかなみという短髪の快活な少女と、柳瀬舞衣やなせまいという濃紺色の髪をした乳房の大きい少女だ。可奈美と舞衣は、美濃関学院みのせきがくいんという学校の中等部に通っている。

 まず、視聴者であるわたしたちに、剣道の試合のようなものが見せられる。可奈美と舞衣が戦っているが、明らかに可奈美のほうが上手うわてに思われる。可奈美が舞衣の胴に竹刀を当て、勝つ(ちなみに可奈美も舞衣も防具を身に着けていない)。

 どうやら、これは何かの校内試合の決勝戦であり、優勝した可奈美と準優勝だった舞衣は、神奈川県の鎌倉までおもむき、御前試合ごぜんじあいなるものに出場することになるらしい。ウェブサイト「コトバンク」で検索すると、『大辞林だいじりん』第三版によれば、御前試合とは「将軍・大名などの前で行う武術の試合」を意味するという。どうやらこのアニメには将軍や大名は出てこなさそうだ。だとしたら将軍や大名の役割を持つようなが、鎌倉での御前試合には臨席するはずだ。長嶋茂雄ながしましげお村山実むらやまみのるからサヨナラホームランを打った天覧試合てんらんじあいを思い浮かべてほしい、というのは無茶な話だが、御前試合の本来の意味合いには天覧試合も含まれるという(やはりコトバンクで閲覧できる『デジタル大辞泉だいじせん』の御前試合の項目の記述より)。

 天覧試合云々はともかくとして、岐阜羽島ぎふはしま駅で新幹線に乗車し、可奈美と舞衣は鎌倉に向かった。おそらくに乗車したのだろう。それにしても、可奈美・舞衣と同じ号車に乗っている客が見当たらない。それはいいとして、鎌倉に着いた可奈美と舞衣は、御前試合の行われる折神家おりがみけ門前もんぜんを訪れる。どうやら御前試合のにあたる人間は、折神家という名家の実力者のようだ。

 と、そこに、ダークグリーンの制服に身を包んだ可奈美たちと同年代の髪の長い少女が現れる。話を先取りすると、この少女の名は十条姫和じゅうじょうひよりだ。

 柳瀬舞衣が以上でも以下でもないとしたら、十条姫和は、衛藤可奈美に次ぐ格、つまり準主人公格だ。可奈美と姫和のコントラストを印象づけるのが、姫和の身にまとう特異な制服だ。白と赤を貴重とした地味な可奈美と舞衣の制服に比べ、姫和の制服のダークグリーンは際立っている。結局姫和の服装が、姫和が準主人公格の存在であること、可奈美の友人であるにすぎない舞衣との決定的なを際立たせている……と思った。

 

 ……ここまで書いてきて、飽きてしまった。

 どうして、こんなに、あらすじを説明するのは面白くないのだろうか。

 前に各話感想かくわかんそうブログを運営ときも、決まって新番組の第1話の感想記事で行き詰まった。第1話だけが放送されている時点で、そのテレビアニメ作品について、視聴者がなにもわかるわけないのだ。第1話がわかるとしたら、最終話が放映されたあとだ。

 アニメの感想を書くのに、やりがいを感じなくなり、そうだなあ約6年間ぐらい、アニメの感想を書くのをやめていた。6年間の蓄積があれば、感想を書くのもうまくなると信じ込んでいたが、うそだった。

 ならばどうすればいいのか。ひたすら刀使ノ巫女を観続ければいいのだ。刀使ノ巫女は二部構成らしいが、全体の最終話まで観通すまで待たずとも、第一部の胎動編たいどうへんの区切りとなる話まで、とりあえず観続け、見解を表明するべきだ。ならば、早急さっきゅうに第2話以降を観続けなければならない。

 しかし、背中の痛みと首の痛みがひどく、これらの痛みがえるまで、わたしは、刀使ノ巫女の本編映像を観るのを控えることにした。

 なぜ背中と首が痛いかって? この文章を打つためにキーボードを叩き続けていたからさ。

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