あたらしいアニメ人生に添えて

『刀使ノ巫女』を観る準備をしようとして、7年前の悠木碧に脱線する

　アニメを休み始めたのは、いつですか。

　そう訊かれたら、どう答えたらいいのだろう。

　東京の下宿を引き払った2017年の春か？

（最後にわたしの記録に残っている観通（みとお）したテレビアニメは、ステラのまほうであり、この作品は2016年の12月に終了した）

　グラスリップの視聴を打ち切った2014年の夏か？

（わたしはグラスリップを信じきることができなかった。外野の罵詈雑言（ばりぞうごん）だけが残った。グラスリップに肯定的な意見をいくつか発見し、なぜか勇気づけられた。わたしは未だにグラスリップの視聴を再開できていない）

　それともツイッターを始めた2010年のはじめ頃か？

　はたまた上京して深夜アニメ色（いろ）に染められた2007年の春か？

　カレイドスターの最終回が放映された2004年の春か？

　もとい。

　アニメを一（いち）からやり直すとは、殊勝（しゅしょう）な心がけだ。

　そんなに気宇壮大（きうそうだい）にならなくてもいいかもしれない。

　ならば、アニメ作品そのものに取り組んでみよう。

　今回、わたしが観ようとしているのは、刀使ノ巫女（とじのみこ）というアニメだ。

　さっそく作り手を診（み）てみよう。

　まず、制作会社は、スタジオ五組だ。

　わたしが最初に観た、スタジオ五組が制作の元請（もとう）けを担当したテレビアニメは、Aチャンネルという作品だ。これは、あの魔法少女まどか☆マギカの後番組（あとばんぐみ）である。まどマギの主演声優は悠木碧（ゆうきあおい）だ。ここで、いいや斎藤千和（さいとうちわ）だ！　とか茶々（ちゃちゃ）を入れるひとは、よほどのひねくれ者なのか、骨の髄までまどマギを愛しているひとなのか。生憎わたしは現在まどマギにそれほど関心がない。

　まどマギの主演を悠木碧とする。Aチャンネルに関してはどうか？　一つ言えるのは、Aチャンネルの語り手は、どうやらトオルであってるんではないこと。そして語り手たるトオルの声優が悠木碧であること。

　つまり、同じ放映枠で、悠木碧は、ふた作品連続で、中核の中核を担っていたのだ。