第4話 OK、まずは部屋のゴミを処理するんだ

 ここまで書いて、オタクの部屋を片付ける上で他に需要のある話ってなんぞや…と考えてみたわけです。そこで、過去の数々の腐海へと沈んだ、我らがオタク男友達の部屋をずらりと並べて考えたところ…


 ぞくり。


 そうだ…根本的なことを…我々は忘れていたッ…

 そんな問題じゃァ無かったんだ…!!!


 というわけで、そこの耳が痛くなりそうなあなた。そこのあなたです。オタクのゴミで汚染される部屋の対処法、いってみましょうか!!!


──ゴミが部屋に散乱している。


──ペットボトルが所狭しと置かれている。


 そんな方々は、おそらく自覚してる方も多いでしょうが、片付け以前の問題です。片付けはまず、部屋に散乱するゴミを捨てることから始まるからです。


 ゴミなんて、特に問題じゃないよと思う人は、今一度考えてください。


──あなたの嫁フィギュアや、あなたのお気に入りのゲーム機に、ふとした拍子に落ちたペットボトルの飲み残した汁がぶっかけられたら?


──大切にしている本に、足元に置いていた弁当のゴミが足に引っかかって、盛大にひっくり返って汚したら?


 適当に思いつくまま書いてみましたが、

 オタクとして買ってきたものを宝だと思うなら、危険回避はやっておきましょう。こういった事故は、誰も幸せになりませんから。


 とはいえ、想像を絶する(といっても、本人にとっては麻痺してると思うのですが)状態では1日以上かかったりもするので、これも部屋の一角など、一部分から対応すると良いと思います。最初は、燃えるゴミの袋と燃えないゴミの袋を用意して(必要ならば仕分ける袋を増やしましょう)、それぞれに仕分けて入れていきます。

 よくわからなかったら、まずは圧倒的に多いと思われる「燃えるゴミ」のみ入れていくこと! そちらがひと段落したら、少しずつ「燃えないゴミ」「リサイクルゴミ」へと進めていきます。

 

 それから、こういうことになる人の多くは、ゴミの収納とも言えるゴミの行き先に頓着しない、または行き先までに(第3話のような)動線が何かで阻害されてるパターンが多いように感じます。


 まずは、大きめのゴミ箱を用意。自分があまりマメに捨てに行かない性分だなーと感じるならば、迷わず複数買って良いと思います。ただし、ゴミ箱の容量は無制限の宇宙空間ではなく、必ず一杯になる時期が来るため、その時に部屋を回ってゴミを捨てられるか、そこも自分と相談して下さい。


 私の例を挙げるならば、部屋ごとに小さなゴミ箱を設け、基本的にその部屋で発生したゴミはすべてそこに入れる。溜まってきたら、全部屋の中央に位置する箇所に置いてある大きなゴミ箱にまとめて、小さなゴミ箱のゴミを全部入れ、一杯になればそのままゴミ捨て場に。まだ余裕があれば、そのまま溜めておいて次の収集に備えておく…という方式にしました。


 私の自宅は団地であるため、ゴミ捨てはいつでもOKなのですが、もしゴミ収集日が決まっているならば、まとめたゴミを置く保管場所も確保しておくと良いでしょう。その際、出来れば玄関近くに待機しておいて、外に出る時に気がついたらそのまま捨てに行けるようにしておきます。


 あと、普段の行動として、ついついこんなことをやってしまう方は要注意。


・アイスを食べたあとの棒やカップをそのまま放置

・アイスを食べたあとの棒やカップを普通に部屋のゴミ箱に突っ込む


 アイスは固体ですが、溶ければ当然液体になります。液体のついたものは乾いたものより早く腐っていきます。異臭も凄いのですが、なぜかそこを気にせずにポイポイとゴミ箱に突っ込む人の多さよ…!! これは、ゴミ箱にべっとりこびりついて異臭発生源になるわ、衛生的にも非常に良くありません。これはミカンやバナナの皮も含まれます。


 「液体がついている、内包されている、または結果的に液体に変化する」


 そういったものは、基本的に部屋のゴミ箱に放り投げず、「生ゴミとして」捨ててください。


・なんか変な臭いがするけど気にしない、または気になると言われたがわからない


 これもかなり怖いことです。基本的に部屋の住人はそこから発生する臭いに長時間触れていると慣れてしまい、嗅覚が麻痺します。しかし、その中でも、


「強い異臭は重大な衛生汚染の警鐘である」


 ことを肝に銘じてください!!

 異臭というのは、色々ありますが、生活面で考えると、大体の大元は「雑菌」です。つまり何が言いたいかというと、雑菌が現在進行形でわさわさ発生し続けている現状である、ということなのです。それは、物が腐っていっているのかもしれません。または、汚物が付着しているのかもしれません。なんにせよ、あまり良いことではないはずです。


 神経質になりすぎてはいけないと思いますが、強い異臭を感じることは、言ってしまえば「異変にいち早く感知しやすいアンテナ」であることでもあります。


 「ん…?」


 鼻腔に妙な刺激臭がする。

 これは…鉄の臭い?

 即座に警戒する。角を曲がると、そこには──

 変わり果てた、血まみれの死体が転がっていた。


 こういう小説の描写がそれに近いなあと、最近たまたま、同居人が放置してどっかにやってしまった腐ったバナナの皮が部屋の隅から見つかった時に感じました。


 うへえ…


 「変だな」と感じたら、すぐに大元をチェックして除去改善して下さい。間違っても、「嗅いで嗅がないふり」は止めましょう。本当に麻痺してわからなくなります。逆に麻痺することを防ぐために、定期的に部屋の窓を開けて風通しを良くし、「臭いの少なめな部屋」という状態を維持することも大切なことだと思います。


 そんな生ゴミは、異臭が一番早く発生しやすい代表格。袋に溜まったらすぐに捨てる、を意識しましょう。これも、ゴミ収集日の関係でやむなく溜めておく必要があるとしたら、大きめのポリバケツなど、生ゴミ専用の臭いをある程度密閉できる容器を忘れずに。

 ただし、これ系は大きな落とし穴がありまして、「蓋を閉めると存在を忘れがち=一杯になってもつい放置してしまう」という罠が潜んでいます。扱いが難しいのですが、どうしても溜める以上はこの存在は必要になりますので、「生ゴミ収集日を忘れない」「出し忘れない」を教訓に、タイマーアプリを使ったり、玄関に収集日を貼っておくなど、忘れない工夫を心がけてください。


 …とはいえ、もう住んでいる方は仕方ないとは思うのですが、この「収集日」はマメに色々配慮せねばならず、結構煩わしいですよねー…まだ部屋を探している方は、こういうゴミに関する周辺知識(いつでも捨てられるという特殊環境は、我々ものぐさ民には神環境です!)も参考にした方が良いかもしれません。


 なんにせよ、ゴミは放置すればするほど、生活動線の阻害原因にもなり、掃除の大敵となります。まずはゴミを捨てることから、ゴミが出たら捨てることを意識することから始めましょう。

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