第12話 本来、本物なんて出遭わない方が普通なんだ…3
洞窟内の神秘的な情景の中で悩みの種が増えた事で思い出しかけたど、本来此処は盗賊なんかの隠れ家だっけ。
妙な木箱が広間の規模の割にこじんまりと詰まれた木箱を発見した。
その数、何と二桁に上る。
中身を調べて見ると、高価そうな品や武器が箱一杯に詰められていた。
よくもまァ、こんなに集まったもんだ。
最近活動してたにしてはまぁ良くやってた方だろ。
ただ討伐者もそこまでには至らなかったのか、これだけが後に残ったって感じか。
試しに道具を手に取って、『
○魔法のランタン
レア度:D
品質:C
『照明効果(範囲15m圏)』
『魔石設置型』
『魔力式』
・魔石を使用し、一定範囲を明るくする照明器具
一般的に出回っている量産型のため、明るく出来る範囲は狭い
《現在使用中の言語を【ウォルボリア語】翻訳し直しました。称号に『ウォルボリア語理解』が追加されました。『
解析と同時に追加と一部の変更点のアナウンス。
マジかー。
マジでかぁ。
やっちまったと言うか何と言うか。
というかもうこれ以上はバレたら、アカンやん!?
けど決死で損してる訳じゃなかった。
言語を理解していればこの世界の人達と万が一遭遇しても交流出来るかもしれない。
そうだ、きっと出来る。
《スキル『
これでひとまずは安心、かな?
暫く無かったからと油断してたらこの
気を付けないと…。
で、『
名前:シェーシャ
性別:雄型
種族:ドラゴンゴーレム
称号:『
能力:
・『ウォルボリア語理解』
・『
・『
・『
・『
なんか、スッキリした印象だ。
但し、『隠れ
…まぁただ単に製作者が付けた機能だと説明すれば一応はバレる心配は無いだろう。
人生とは常に妥協する生き物だと言って押し切るしかない。
――――
ステータスはどちらかと言うと魔物や獣寄りだ。
ただ早速問題、というかフレーバーテキストが出なかった。
今度は意識してステータスウインドウを確認してみたけど結果は同じ。
対象が自分だと無理なのかな…?
魔物やアイテムにはテキストが記載されていたけど、この差は何なんだろう。
ピースが全く足りて無い気がする。
仕方ない、人とあったら序でに調べてみるか。
『
さてと、この品物は箱ごとアイテブボックスに突っ込んで…と。
目の前の地底湖を調査してみるか。
ひょっとしたらあの泉にも繋がってるかもしれないと淡い期待を寄せながら、【
念入りに準備運動して、いざ!
水中に潜って辺りを見回す。
『
生憎と、ギルの性能はそこまでポンコツじゃない。
あらゆる環境で耐えられなきゃ困るので、そう言ったスキルを習得させていた。
僕が最も警戒したのは悪意に塗れたプレイヤー、その情報をいち早く察知するために習得させていたのが今回功を奏した。
上手く使えば疑似夜目として機能する。
だから目の前に広がる光景は昼間の様に明るく鮮明に見通せた。
――――外敵の存在しない洞窟でしか生きる事が出来ない生物達の楽園、それが僕が抱いた印象だった。
岩壁には淡く照らす藻や鉱物、それからウミユリの様な生物やエビ。
ブラインドケイブフィッシュかドウケツギョに似た魚が呑気に泳いでいる姿は、何とも言えず心を和ませてくれる。
変化があったのは大体一時間位まで泳いだ辺りか。
そこまで進んだ所、幕みたいなものが視界に入って来た。
《※
成程、向こう側の保証までは出来ないと。
それでもそれなりの距離を泳がないと辿り着けない訳だから、相当長い距離だと言う事が解る。
……と言うか、そもそもこの世界の人間が果して此処まで行けるのかどうか怪しい。
取敢えず、この場所にマーカーを置いて先へ進もう。
するりと幕の向う側も変わらない風景だった。
ただ、生物がごっそり減った。
いきなり生物だけが何も無くなった、と思える程に向こう側の印象が変わった。
多分、洞窟内の生態系は元々こんな感じで、拡張したからあんな風になったんだと思う。
まだ
ただ鉱石の類までは相も変わらずだったのでそこは安心した様な、どうなんだろう…?
『
…考えても仕方ないか。
進もう、今は横道に反れないでこの探索に力を入れるべきだ。
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