閑話 無念、遺憾。涙の渇く、暇も無し
《――少年よ、望むと望まざるに関わらず大いなる試練が待ち構える事態となってしまった》
《――否応無く、異界へと》
《――我々の目を盗み、異界の神たるあ奴はそなたを攫って行きよった》
《――
《――
《――逸楽とはこの事!》
《――嗚呼、許すまじ!》
《――この恨み、晴らさでおくべきか!》
《――既にそなたは此処からは我々が手出し出来ない領域へと顕現されてしまっておる》
《――どうにもしようがないとは、まさにこの事よ》
《――さりとて、そなたばかりに苦行を強いらされるというのは癪というもの》
《――嘆く暇も無し》
《――そこで》
《――完全に異界へと誘われてしまう前に》
《――向こうに取り残された肉体と共に》
《――汝に祝福を授けた》
《――少々心許無いであろうが》
《――今はそなたの心に賭けるしかないのだ》
《――少年よ》
《――目覚めの時は近いぞ》
《――我々の精一杯の干渉も、最早これまで》
《――これきり、最後になるやもしれぬ》
《――我々が生まれ育ち》
《――汝と出会った場所が
《――共に過ごした思い出は》
《――今でも我々の記憶に鮮明に残っている》
《――無念》
《――遺憾》
《――せめて我々だけでも》
《――健闘を祈らせてくれ》
《――さようなら、我等が最高の弟子よ》
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