第4話

「もう何の才能にするかお決めになられたのですか?」彼女は私に尋ねた。

 「決めました。」

 「それでは!何の才能にするか発表してください!」彼女は大声で言った。

 「才能才能って…結局君が紹介してくれたものは不確かなものばかりだったことに気づいたよ。世界で最も優れている才能…それは運です。人間はみんな不平等に世界に生まれる。或者は環境、容姿、能力に恵まれるが或者はそれらに恵まれずにこの世に生まれ落ちる。彼らの差は一体なんであろうか?何もない。そこにあるのはただの運のみ。イラストレーターになるために絵を描く才能をもらってもいいんですが、次の私がイラストレーターを目指すとも限りませんよね?ですから私は、「超幸運の才能」をもらい受けようと思います!」

 彼女は少し驚いているようだった。

 「なるほど…これまた珍しいお方ですね…いいでしょう!それではあなたを超幸運児として生誕させましょう!」

 そう彼女は言って、辺り一面白い光に包まれ、私はそのまぶしさに目を閉じた。

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