感想とレビューと小心者(2016/05/01)

 華々しき休日だというのに、昨日はカクヨムでのカクもヨムもろくすっぽできませんでした。

 ハイキューを全巻読んで、コナンの映画を観に行っていたからです。仕方ありませんね。熱い。


 すこぶる余談ですが、コナンの劇場版を観る度に日本の治安と鈴木財閥の財政が不安になります。そしてこれは異能バトルものだっけと自分の記憶を疑うこと複数回あれれーおっかしいなー。

 あと今回の話ではありませんが、登場人物はことごとく蘭ねえちゃんを最終兵器か何かと勘違いしていませんか……。

 よく考えてみなくても分かりますが、蘭ねえちゃんはFBIでもCIAでも公安でもなく一介の可愛い女子高生です。壁破壊兵器でも犯人捕獲兵器でもありません……。




 せやかて工藤はさておいて。

 先日、藤浪保さんと芳賀概夢さんの企画に運良く参加させていただく機会を得て、それぞれ別作品の感想をいただきました。

 お二方とも本当に丁寧かつ的確な感想をくださり、ありがたくて頭があがりません。やはり第三者からの冷静な目線の意見は本当に参考になります。


 最近ちらほら見かける感想を書く企画。企画者の皆様に対しては本当に凄いなと感嘆する一方で、生来のやりたがり気質から「ちょっと自分もやってみたいな……」などという思いが脳裏をよぎります。


 が、少なくとも現時点ではやらない、いや、やれないだろうな、と思います。


 これは単に時間がないからとか執筆を優先させたいとかそういう理由ではなく、そこを差っ引いて。

 私は『感想』と呼ばれるものが、物凄く、苦手だからです。



 私は読書感想文というものが、およそ義務教育中に課される課題の中でもトップレベルに苦手でした。

 国語は一応、成績は良い方でしたが、成績が一番悪かった体育のなわとびと並んで、とにかく『感想文』が、好きではない……。


 いいえ、はっきり言いましょう。

 大っ嫌いだったぜ!!!


 作文が嫌い、ではないのです。

 中学になってからの小論文といわれる類の課題はむしろ好きだったし。文章を書くこと自体が嫌いなら、そもそも今ここでこうして文章を書いている訳がありません。ドMか。



 何というんでしょうか。

 物語を読んで、その感想を形式張った文体に落としこむのが、おそらく、本当に好きではないのです。


『超面白かった!』

『すごく好き!!』


 では駄目なのか。

 何故、わざわざ自分の中に迸る感動を事細かに人に伝えないといけないのか!



 この文章では語弊があるかと思いますが。別に、感想を伝えたくない、書きたくない、という訳ではありません。


 友人が書いた作品の感想を本人に伝えることは、嫌などころかむしろ積極的にやっていきたいし疎遠であっても連絡しちゃうし、小説や漫画を読んで「すごく面白かった! 大好き!」とTwitterで発信するのはよくやってます。


 自分の感情・・・・・を、人に伝えるに耐えうるよう真面目に整えること、加えて不特定多数に発信するのが、すこぶる不得手なのです。


 例えば、『自分』の書いた作文等をクラスの前で発表しろと言われた時、私は小学校低学年の頃は半々の確率で号泣していました。本当に嫌だったのです。学年が上がると流石に泣くことはなくなりましたが、めちゃくちゃに緊張して嫌なイベントであることに変わりませんでした。

 しかし不思議な事に、私は演劇部だったのですが、クラスどころではなく全校生徒や他校生の前で『自分の言葉じゃない役の言葉』で『役』を演じる、その時には全く緊張しなかったりします。教科書の音読はむしろ大好きでしたし、緊張こそしますが学校や仕事でのプレゼンもそこまで嫌ではありません。



 何でだろうな、と昔から考えてはいたのですが。

 自分で言うのも何ですが、私は大層バカ正直な人間です。

 何かを読んだり見たりして自分が感じた『感想』は、とても真面目な場で公表できるようなものじゃない、泥臭くて生々しい、バカみたいにくだけた素の自分のままの言葉で。

 それを綺麗な言葉に落とし込んで、もっともらしく変質させてしまった感想を書くのが好きではない、のでしょう。

 まして、その嘘みたいな感想を人前に晒すのは耐え難かったのかもしれません。



 リアルな友人には、飾らない素のままの感想が言える。から、感想を言うのは嫌じゃない。

 けれどもさほど親しくない相手、まして面識のない相手だとそうはいきません。

 だから私は、ネット上で感想というものを滅多に書かない人間でした。



 元々私は、自分の創作小説サイトにて細々と活動をしていました。(一応、今もですけど。)

 自分で小説サイトを運営する、という形が主流だった当時は、大抵どこのホームペジにもBBSかWeb拍手が設置されており、そこから感想を送ることができました。

 作者以外には基本公開されない&文章が短くても送れる拍手はどうにかなりましたが、BBSに載せるときにはそれこそ下書きを何度も何度も推敲してから、「うおおおおおええいままよおおおお」と呻き声を上げつつ決死の覚悟で投稿していた覚えがあります。

 そこまでしてよく投稿したな。

 いやまあ、感想を送るまでした作品は、もう超絶ファンだったからなんですけど。



 後に、自サイトの場所は残しながらも、小説の本文は言わずと知れた『小説家になろう』内に全て移行します。私が現在カクヨムに掲載している小説は、ほとんど『なろう』から転載したものです。

 だけれども、なろうにいた時には作者さんとほとんど交流をしていません。

 いえ、全く、と言ってしまって差し支えないレベルです。

 Twitterのフォロワーさんにはなろう作家さんはいるけれど、会話を交わしたことはありません……。

 ていうかTwitterで会話している人はほぼリアル知人ばかりです。カクヨムで話をさせていただいてるのがマジ例外すぎて自分でもびっくりしている。



 元々、小説家になろうに小説本文を移行したのは、小説ページが多くなりすぎて管理が面倒になったのと、パソコン・スマホと多種の媒体が出てきたことで閲覧環境への対応に悩み、いっそ小説本文は外部のサービスに任せたほうが良いだろうという、管理上・便宜上の問題だったので。(私のHTMLな知識は十年前で止まっています。)


 だからぶっちゃけ、なろうへの愛着ってほとんどないんですよね。

 なので余計に、少し前まで噴出していた、なろうと比較してのカクヨム不満とかは今ひとつぴんとこなかったし、あの風潮は少し怖かった。検索は確かにもっと充実してくれたらいいなと思うけど、まだまだこれからだし。もっとまったりゆったり待ってあげても良いんじゃないかな、とか。


 元々PVもブクマも向こうでさして稼いでいたわけじゃないし。個人的には、テンプレ以外の作品が見つけやすいし、デザインもこっちの方が好みだし、サイト始動当初から参加している所為もあるだろうけど全体的になろうよりカクヨムの方が楽しい。

 とかあまり書くと怖いのでこの辺で止めておきます。

 ただ、URLだけはなろうの方がシンプルなので、どうしても軍配はあちらにあがるんですけどね。URLさえもっと単純化してもらえたら、自サイトからのリンクをこちらに張り替えて、小説を全部カクヨムに引っ越したいくらいなんだけどなぁ。




 ……ええと、えらく脱線したんですけれども。

 そういう経緯で、私は『感想』を書くことは、すごく苦手です。



 ただ。カクヨムを利用している皆様はお気づきでしょう。

 カクヨムには、近況ノートを除き正式に『感想』を書ける場所がない。

 その代わりにあるのが、『レビュー』です。



 とはいえ、最初はやっぱり躊躇しました。

 レビューと感想とは、『人に薦めるもの』『自分の所感を伝えるもの』という違いがあるとはいえ、似たようなものに思えていたからです。


 けれども、思い切ってレビューを何本か書いてみて、はたと今までとの違いに気づきました。


 苦手じゃない、のです。

 いや。これはむしろその逆で。



 レビュー、書くのすごく楽しい。



 そうは言っても、レビュワーの皆様に比べれば、それくらいで楽しいとほざいてんじゃないぞコイツという程度しかレビューしていないのですが。


 レビューはあくまで人に薦めるもので、自分の感情を書き連ねる場ではない。

 小説を読んだ上で冷静な場所に立ち、いかに作品を上手く魅せられるかを考える、という性質のものなので。自分の苦手な文章ではなかったんですね。

 むしろ、作品の要所をピックアップしてまとめるとか、大好きな作業。おまけに好きな作品を大手を振って宣伝する権利が得られて、大変に美味しいし楽しい。

 得意ではないですが、こういうキャッチコピー考えるのは好きです。センスはあまりないし自分の作品はどうしても恥ずかしさがあって冷静に&思い切って書ききれないんですけどね。


 だからカクヨムでは、レビューが楽しい。

 ので、のろのろながらもこの世界に入っていけました。

 楽しいなあ……(ぼんやり)



 なおレビューは、本屋に並んでいる帯を意識して『簡潔に』『ネタバレしないように』を心がけています。だからちょっと全体的に短め。語りたいけど余分なこと書きそうだから迂闊に語れない(笑)

 そして、常に『全力プッシュする構え』で書いています。

 ……と思いつつも、全然知らないひょっと出てきた私が派手なレビュー書いて「誰だコイツ何様だコイツ」と作者様を不快にさせてしまうんじゃないかと不安になって、あまり、というか、とっても控えめに書いているんですけど……。

 本当はもっと思い切って書きたい! でもちょっとまだ無理! 小心者で!




 前にも書きましたが、私はバカ正直な人間です。

 なので、私がレビューしている作品は、勿論私の主観なので好みはあると思いますが、どれもこれも本当に良いと思った作品しかレビューしていません。


 感想企画、だとどうしても色々な作品が集まる。

 そうするとどうしても、自分の好みではない作品にも巡りあってしまうでしょう。そしてその作品に対しては、レビューや感想を書くことを、どうしても戸惑ってしまうと思います。というより、書けないです。

 かといって、それをはっきり作者さんに伝える度胸は私にはない。

 だから何かいい方法が見つかるか、自分の中で折り合いが付かないかぎり、企画はしないだろうし、感想を書く企画には参加できないな、と思います。




 ただレビューの方は、遅いペースながらこれからもどんどんと書いていきたい所存。

 1日1レビューはしたいなと思っているのですが、上手くいかないですねえ。

 ついつい、新着レビューで目についた作品を読んでしまうことが多いけれど、フォローしている小説やユーザーさんの作品は一通り目を通したいぜ。




 因みに、最初に書いた感想企画。現在開催中の別の企画にも、これからちょっと参加させてもらう予定。

 もう1話目は投稿したのですが、藤浪保さんの星アンソロです。

https://kakuyomu.jp/works/1177354054880875383/episodes/1177354054880919513

 詳細は本家のページを見ていただきたいのですが、もし興味のある方は是非。




 今回は感想企画ということで各ページにてご意見を頂きましたが、いつか小説にもレビューが付くように精進したいものです。

 ……と締めようと思っていたのですが、記事を書いている途中の段階で無茶苦茶丁寧なレビューを頂き大変泡を食っていまあわわわわわ。本当にありがとうございます。


 ううむ。レビューは簡潔&シンプルもいいですが、詳細なご意見を頂けるのは本当に嬉しいものですね……。

 もっとレビュー長く書いてみようかな……(手のひらクルー)



(2016/05/01)

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