「好かれるのが苦手なの」そう呟く彼女に何と声をかければいいのだろう。その真意を知るほどに、その繊細さに惹かれていく。なのに、何もできない。読後もずっと頭にへばりついて離れないその言葉。何でもできるのに、どうしようもないことに向き合わなければならない時。一体どうすればいいのだろう。なんでもできるという自負なんて、大した意味も持たないのだろう。いのちとは何か?こどもの純粋な疑問に答えられる大人なんて、どれほどいるのだろうか?曖昧にはぐらかしてはいないだろうか。