第18話始まりの終わりー2
そして、こちらの物語も動き始めていた。
兄、アオヌマ・カイトが失踪してから数年。行方を捜していたアオヌマ・ソラは地球防衛軍に所属していた。
☆☆☆
「はぁ~。なんでこんなことになってしまったんだ~」
ソラは地球防衛軍の食堂の机に頭を下げる。周りにはソラ以外誰も座らず。ソラがこの地球防衛軍で孤立しているのが見て分かる。
「ソラ、そんな泣き言言わないで。私は信じてるからさ、一緒に頑張ってお兄さん探そうよ」
「そうだよ。ソラ君。いつか分かってくれるって」
そこに料理を持って近寄る二人の少女。ソラは二人に向かって投げやり気味に返答した。
「そんなこと言ったってさー。流花、美玲。今、僕、この軍でなんて呼ばれてるか分かる? 気狂いソラだよ。もう誰も僕の話をまともに聞いてくれないよ……」
う、うっと泣き出すソラ。それを見た美玲はわたわたと暴れ始める。流花はなんだか疲れたような顔をしていた。
「そりゃ、いきなり日本支部の本部に乗り込んで、『僕は未来を知っている! このままじゃ、地球は負ける! 僕がいればエルロイドの武器が使えるから、権限をください!』 ……なんて普通の人は言わないからね……」
「じゃあ、どうしろって言うんだよ! っていうかどうすれば良かったの? 軍である程度の権限を持たないと結局何も出来ないじゃん。未来の世界ではあんだけ潤沢にエルロイドの武器を手に入れられたのに、戦争中の過去の方が手に入れにくいってどういうことだよ!」
「未来の世界ではエルロイド、燃えないんでしょ? やっぱりそれが大きいわね。この過去じゃ、武器ごと燃えちゃうから」
「もし手に入れるなら、エルロイドの基地を襲撃しないと……でも、そんな危険な真似。曖昧情報……というよりその……」
「気狂いの話しを参考にそんな作戦立てられないってことだよね! わかってます! ええ、わかってますとも! あー、兄さんなら上手くやったのかな~。せめて兄さんがここにいてくれれば」
はぁ、とため息を吐くソラ。その兄の話に流花が食いつく。
「お兄さんの居場所。やっぱり分からないの? 心当たりとか」
「……一応。探してみたけど、どこにもいない。……ほんとどこ行っちゃったんだろう。やっぱりオルトスさんを探し出して聞くしかないな……」
「この軍の実質的なリーダーだっけ。功績を挙げないと合うことも出来ないわね。とはいえ、ソラの利点であるエルロイドの武器が使えないんじゃ、私たち、ただの一般兵と大差ないし、それも難しいのよね……」
「そ、それに。私たち、衛星班ですし。そもそも……」
再びどんよりとした空気が当たりを覆う。そう、今、ソラは前線を担当する戦闘班ではなく、後方支援を担当する衛星班にいる。これは同期であり、チームを組んでいる流花と【水鏡美玲】が女性であるということと、ソラ自身が戦争体験で心が壊れた兵士だと判断されて、温情から安全な後方支援部隊に配属されてしまったためだ。
前線に出なければ武器を得る機会はない。地球の為に一刻も早く、行動を起こさなければならないのにどうしようもなく、何も出来ない日々が続いていた。
「また、都市が落とされたらしいぜ」
「住民皆殺しにされたとか。しかも女性達には乱暴された痕跡があったらしい。やり方からして色狂いって呼ばれてるエルロイドが率いる部隊がやったんじゃないかって話しだ」
同じように食事を取っている隊員が世間話をしている。その内容が耳に入った流花はぽつりと呟いた。
「……」
「色狂い……ルーカスのことかもね。私を襲ったエルロイドもそんなことを言ってたから……ソラの情報にも当てはまるし」
「ルーカス、あんな奴がまだ野放しになっているんだよな。本当にどうしたものか、……勝手に抜けて、突撃しちゃうってのは」
「駄目ですよ。死んでしまいます!」
「軍法会議にかけられて、処分される可能性があるから、やるなら地球防衛軍を捨てる気でやらないと……」
「それは、さすがにな……。一応全ての国家が連合した地球最強の砦だし。ここを抜けたらどこに所属しても無理だ……」
「「「はぁ(ふぅ)」」」
三人がため息をつく。その時、食堂に一人の士官が入ってきた。その士官はソラ達を見つけるとこちらに寄ってくる。
「君たちは第76衛生小隊だな? 本部より、任務が下されている。 【田中】将軍がお呼びだ、直ぐに準備を終え、A会議室に来るように」
「「「了解いたしました!」」」
そう言うと士官の男は去って行く。ソラ達は立ち上がった。
「まだ、一口も食べてないのに~。私のチョコクリームパフェ」
そんな流花の泣き言を聞き流しながら、ソラ達は会議室に向かった。
☆☆☆
A会議室にたどり着いた時、既に会議場には多くの隊員が待機していた。
「やば、これ僕たちが一番最後のパターンだ」
「ど、ど、どうしよう……」
「こっそり行けばきっとばれないわ」
「いや、もう、ばれてるから」
そう言ってソラ達の後ろから誰かが声をかける。振り返ってその姿を確認したソラは思わず声を上げた。
「ノーマ!?」
「確かに僕はノーマだが、君はただの一般兵だろう。士官である私を呼び捨てというのはどうなのかな」
「す、すみません。でも、未来であなたと一緒に戦ったことがあったので……」
その言葉を聞いたノーマが眉をひそめる。
「未来? ああ、君があの気狂いソラか。後で良い医者を紹介してあげるよ。取り敢えず今は中に入ってくれるかな? こんな君でも今は必要な戦力だからね」
そう言うとノーマは室内へと入っていく。ソラ達も頭を下げながら、室内に入り、用意された椅子に座る。
「う、共に死地をくぐり抜けた仲間が、信じてくれない……」
「ノーマからすれば初対面なんだから、仕方がないわ」
「二人とも……ちゃんと話しを聞こうよ……」
美玲のその言葉を受けて、ソラと流花は会話を止め、壇上に立つ老将に目を向ける。
「知っているものも多いだろうが、改めて自己紹介しておこう。私は【田中鉄治】。地球防衛軍日本支部第三軍の最高責任者だ」
そう言うと田中は手元の装置を操作し、ディスプレイに映像を表示させる。
「……数年前、あの柱のようなものが落ちてきてから、この日本は、異星人との戦争の最前線となった。現状は何とか戦線を維持しているが、厳しい状況だ。だが、落とされるわけにはいかない。現在、エルロイドによっていくつかの国が落とされたが、それは何れも新興国の小国だった。だからこそ、我々への心理的影響は少なかった。だが、日本は先進国だ。軍備を増強しにくい国だったと言ってもそれは事実」
大きな壁が壊されるのと小さな壁が壊されるのは違う。日本は軍事力は少ないが先進国に名を連ね、経済を引っ張る立場だった。故に軍事力が少ないと言っても国力がなかったという訳ではない。先進国の中では弱い部類だが、その辺の小国と比べれば、まだまだ戦える国なのだ。
「……先進国は現在の地球防衛軍をリードするリーダーの立場だ。その中から、落とされた国が出た……となれば、民衆に不安が広がり、今後の活動に支障が出てしまう可能性がある」
そんな国が落とされた……となれば、各場所に不安が広まるだろう。あの日本が落とされたのだから、自分たちでは勝てるわけないと諦めてしまうものが出てしまうかも知れない。
「……そこでこの日本を援護するために、地球防衛軍本部から、援軍がやってくることになった。今回の君たちの任務は、その部隊と物資が無事にこの基地にたどり着けるようにするための護衛だ。ノーマ君。続きは君から話したまえ」
「分かりました。皆様、僕は地球防衛軍本部からやってきたノーマ・ルースです。今回の任務の陣頭指揮を執ることになります。では、早速詳細の説明を」
そう言うとノーマは機材を操作し、表示されている映像を変えた。
「現在、制空権は完全にエルロイドに握られています。残念ですが、我々、地球防衛軍の持つ戦闘機では、エルロイドの持つ戦闘機をたやすく打ち倒すことは出来ません。つまり、海上による輸送は自殺行為です。本来は地球防衛軍の本部があるアメリカから直接輸送が出来れば良いのですが、太平洋をエルロイドの攻撃を躱しながら進むのは不可能なため、今回の援軍はロシアから派遣されることになります」
画面に北海道が映る。
「ロシアから北方領土を経由し、北海道に物資を運ぶ、その物資を海峡トンネルを利用してこの本島まで輸送する計画となります。ロシアから北海道までの護衛は地球防衛軍ロシア支部が、海峡トンネルから本島までは地球防衛軍日本支部の一軍が担当します。我々の任務はロシアから受け渡された援軍を日本支部の一軍に渡すまでの間。……海峡トンネルにたどり着くまでの北海道での護衛となります」
そう言うとノーマはバンと机を叩いた。
「ここにいる全員が分かっていると思いますが、これはきわめて重要な任務です。貴重な援軍が、何らかの過失によって失われてしまえば、地球はまた一歩、勝利から遠ざかってしまうでしょう。……正直に言います。貴方方の命は援軍の兵士の命より軽い。経験を積んだ精強な本部の兵士が無駄死にしないように、その身を犠牲にしてでも守り抜いて頂きます」
「ど、どういうことですか……」
「……今回の護衛任務を成功させるために、この中から囮(・)を選出して頂きます。囮を使い、本体の動向を隠すことで、襲撃される可能性を減らし、より安全に援軍を本島に届けます」
囮、その言葉が出た瞬間、会場のざわめきが増す。それを見た田中は吐き捨てるように言い放つ。
「……つまりは捨て駒だということだ。我々三軍はお荷物部隊だからな、それと交換で精強な本部の軍が手に入るなら、それでいいと言うことなのだろう」
そう言うと田中は手を握りしめながらも兵士達に向かって頭を下げた。その姿を見た全ての兵士がこれは田中の本意ではないということが分かった。
「皆には申し訳ないと思うが、全ては地球の勝利のためだ。……この決断を受け入れて欲しい」
その言葉に三軍の誰もが何も言えなくなる。誰もが必要なことだということは分かっているのだ。地球がこれからも戦い抜いて行くためには犠牲は必要だ。だが、ソラはそれに納得出来なかった。だからこそ、ソラは手を上げ、宣言する。
「それなら僕がその囮に立候補します!」
「ソラ君!?」
美玲のソラを心配し、驚く声が聞こえるが、ソラはそれでも引き下がるつもりはなかった。軍としての戦力がソラにはまだいる。だからこそ、軍議に反して行動するわけには行かない。その上で犠牲を無くす為にはソラ、自身が囮になれば実現できると考えていた。
それを聞いた、ノーマが呆れた表情を見せる。
「本当に気が狂っているのか? 駄目だ。君は衛生兵だろう。君の役目は本隊と共に行動し、傷ついた援軍の方々を治療することだ。許可できない」
「ですが!」
「くどい、これ以上、邪魔をするなら君を任務から外す」
「……っ! すみません。出過ぎたことを言いました……」
任務から外されたら何も出来ない。ソラは肩を落としながら座る。ノーマはソラが座ったことを確認すると黙々と仕事を再開した。
「では誰が囮になるかについて話していこうか……」
☆☆☆
そして、任務の日。ソラ達は北海道にやってきていた。
「寒い……」
「今は冬だからな、結構雪も積もってるし、そりゃ寒いわ」
ソラの呟きに答えた男はそう言うとその降り積もった雪に顔を埋め、叫ぶ。
「あーあ! くそ、何でこんな寒い日に囮なんてやらなきゃいけねーんだ!」
そう、この兵士【中川昭人】は今回の作戦で囮となる部隊の一員だ。彼は、ソラとは入隊時期が違うが、気狂いと言われ始めた後も、変わらず友達好き合いをしてくれている、ソラの友人の一人だ。
「僕が囮になれていたら良かったんだけど……」
「お前、そんなこといってるから気狂いって言われるんだよ。それに、お前一人が囮になっていたとしても結局人数の問題で俺は囮のままだ。別に気に病む必要はねぇ。……それに必要なことだってのは俺も分かってるしな」
でも、納得出来んと拳を握る昭人。そこに流花と美玲がやってきた。ソラは二人に聞く。
「二人とも、もう挨拶は済ませてきたの?」
「……うん」
「ええ、死地にいく仲間と最後の挨拶をする……なんて笑顔で取り繕ってもお互いに気分のいいものじゃないわね。……ソラも済ませたの?」
「まあ、僕の友達は昭人だけだし、……言ってて悲しくなるけど」
「なんだ、別に良いだろう? 俺一人で友達100人分だ。問題はあるまい」
どやっと胸を張る昭人。それを見た周りの人々も笑う。
「それに俺は、これを最後の挨拶にするつもりはねぇ。ここは俺の地元だ。どこに何があるかは知っている。なんとしても生き残ってやるよ。そうしたら、また、一杯やろうぜ」
「……地元?ってことは土地勘があるんだ。……ちなみにもし逃げて隠れるとしたらどの辺に隠れるつもりなの?」
そう言ってソラは昭人に地図を見せる。昭人は「俺の渾身の別れの言葉が流された!」と言いつつも律儀にソラの地図に書き込みを入れる。
「まあ、こことここだな、俺が隠れるとしたら、そうするだろう……て言うかお前、また変なこと考えているんじゃねーだろうな? 今度、何かやらかしたら、本当に除隊させられちまうぞ?」
「へへ、大丈夫、大丈夫。ちゃんと任務は果たすし、その間は軍に従って勝手な行動は取らないよ」
「なーんか、信用できないんだよな~」
昭人はシラッとした目でソラを見つめる。ソラは口笛を吹きながら目を反らす。その時、ノーマから全体に声がかかった。
「そろそろ、出撃します。囮の皆さんも出発をお願いします」
「ま、いっか。出発だ」
「昭人。昭人は絶対生き残るから、僕はわざわざ飲む約束なんてしないよ。また明日だ」
「言うぜ、全く。じゃあな、ソラ」
そう言ってソラ達は囮の舞台と分かれて進む。ただ、黙々と歩いているとソラの元に流花と美玲が近寄って本隊に聞かれないように小声で会話する。
「っで、ソラは本当に何もしないつもりなの?」
「そんなわけないだろう。何もせずにただ犠牲を受け入れるなんて、僕には出来ない。だから考えていることがある。二人とも準備はしておいて」
そのソラの様子を見た美玲がぽつりと呟いた。
「……相変わらず凄いね、ソラ君はいつも諦めなくて」
「別に凄くないよ。ただ、確証もない無謀なことをしているだけだよ」
ソラは本心からそう言った。ソラは自分がやろうとしていることを理解している。これはただの蛮勇だ。諦めたくないからと言って、だだをこねて無謀なことを繰り返しているだけだ。本当なら、指示に従って見捨てることが安全なのだと分かっている。ちゃんと命令に従った方が、功績も早く手に入れることができ、未来を救うためにも繋がると理解している。
だが、ソラは思っている。諦めて、受け入れて得られる勝利なんて、ないのではないかと。きっと一度でも妥協してしまったら、いつまでもその妥協を受け入れ、妥協したまま生きることになる。そんなんじゃ、本当に立ち向かわなきゃいけないときが来たときに、きっと立ち上がることすら出来ない。だから、生きている限り、諦めず、進み続け、抗い続けるしかない。そうでなければ未来は変えられないと。
それを聞いた美玲は頭を振った。
「いや、それでも凄いと思うよ。誰だって、本当はそうした方が良いって思っていても、確証のない危険なことをしようとなんて思わないもん。それでも諦めずに行動することが出来るのは凄いことだと思う。誰もができることじゃないから」
「そ、そうかな?」
ソラは照れて頬を掻く。流花はその様子を見て言った。
「はは~ん。春が来たってことかしら?」
「「違うよ!」」
二人は顔を真っ赤にしながら、息ぴったりで否定した。
☆☆☆
ソラ達の護衛は、囮の活躍もあってか特に問題なく進んでいた。
だが、それを見守る一人の男がいた。男の足下には燃えているエルロイドの死体が転がっている。男はビームセイバーをしまうと近くにいた少年の格好をした少女に話しかける。
「ジュード。雪を被せるのを手伝ってくれないか? ここで燃えたという痕跡を消したいんだ」
「いいけど……白仮面様、なんでこんなことしてるの?」
ジュードには理解出来なかった。一応、自分たちはエルロイド側の勢力のはずだ。舞台とは距離を置き、独自に行動しているがそれは変わらない。なのにカイトは地球防衛軍の作戦を手伝い、仲間であるエルロイドを殺している。
カイトはジュードのその純粋な疑問に少し考えた後、答える。
「単純に地球人達にはもう少し、頑張って貰わないといけないだけだ」
「なんで?」
「このまま、エルロイドのワンサイドゲームで、この戦いが終わったら、私が統率官になることが出来ないだろう? 事実、エルデン軍の指揮官はエルデン本国の貴族達だ。……このまま乱が終われば星を手に入れることが出来るかも知れないが、それはそいつらのお零れを預かる形となる。そんなくらいなら……」
「いっその事、彼奴らを使って貴族共を殺して貰おうってことね!」
なるほど、っと手を叩くジュード。カイトの手伝いを初め、エルロイドの死体の形に溶けた雪を別の雪で埋めていく。
「確かにそうだよね。私、白仮面様が誰かに顎で使われる姿なんて見たくないし、ていうか見たらその相手を殺しちゃいそうだし、ならいっその事、地球人を使って先に殺しちゃうって方が衛生的だよね! 敵の敵は味方って奴だ」
「あ、ああ。そうだな」
未来で知っていたことだが、立派なヤンデレに育ってしまったジュードを見て、カイトは内心頭を抱える。どこで選択を間違った。何が原因でこうなったと。
いつ暴発するか分からない爆弾を抱えてしまったようなものだ。同じ道を辿りたいカイトからしたら厄介なことこの上ない。
(俺が手帳に記すときは、何か回避方法を書いておこう。というか手帳ももう少し、詳細に書いてくれれば良いのに……)
カイトが白仮面から受け取った手帳にはこれから起こる様々なことと、その対処法が記されていた。だが、全てが詳細に書かれていたわけではない。カイトの手帳に書き込める限界もあったし、恐らく一から十まで記載して、一つがずれて全てが駄目になることがないようにわざと曖昧に書いて有る部分も多い。加えて言うなら、それについて悩むことも同じ道を辿る……と言うことなのかも知れない。
とはいえ、詳細な記述が分からないから、本当に正しく進んでいるのか、分かりにくく、必要以上に慎重になってしまうのが辛いところだとカイト思っていた。
「あ、無事届け終わったみたい」
その後も追跡を続け、トンネルにたどり着いたところでジュードがそう言う。カイトは望遠・盗聴用の兵器を取り出し、認証を済ませ使う。すると、地球防衛軍の会話が聞こえてきた。
『任務は達成しました。では、僕らはこれで失礼します!』
『ま、待て、ソラ! 君たち、どこに行く気だ!』
『ここから先の命令はまだ、受けてないわ。私たちは命令違反は犯してない。だから自由にさせて貰います!』
『す、すみません。ノーマさん!』
『君たち、まさか最初からそのつもりで……! くそ、これは後で問題にするからな~!』
地球防衛軍の集団から何人かの人が離れていく。同じように兵器を使い監視していたジュードがぽつりと呟いた。
「なんか、凄いことになってるね」
「……一応、後を付けるぞ。何かあったら困るからな」
「了解です!」
頭に手を当てて敬礼を姿勢を取るジュードを見て、白仮面は少し笑いながら、ソラ達の後を追った。
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