第六章(3)
「ギリギリだったな」
八島さんが言葉を漏らす。
「ええ、ギリギリでした。でも、三国くんが……」
「助かったことを喜ぶべきだ。にしてもなんで答えが『8』だって分かったんだ? 数式と答えが合ってないということまでは俺も分かったが……」
もう一度問題を思い出しながら、僕は言う。
『8÷8+8-8=□ 6÷9×4+4=2
2-2+2-2=0 4+6-4-5=1
4÷6÷4×9=2 3+4+5×6=1』
「そもそも数式だと思い込んだ時点で、あの謎は解けないんですよ」
最初に僕は、そう思ってしまったからなかなか答えにたどり着けなかった。
「じゃ、答えはなんなんだ?」
「○の数ですよ。6890、が対応してます」
「ということは8が4つだったから、答えは8なんだね」
「うん。でももっと早く気づければ……」
「悔いることはない。それでも俺たちは助かったんだから」
八島さんはそう言い放って、
「さあ、先に進むぞ」
奥へと進んでいく。
途中、
『8÷8+8-8=□ 6÷9×4+4=2
2-2+2-2=0 4+6-4-5=2
4÷6÷4×9=2 3+4+5×6=1』
謎が書かれたパネルがあった。
「なんだこれは? さっきの問題か?」
「おそらくそうだと思います」
僕はパッと見てそう判断する。
「なんでさっきの問題がここにあるんだ?」
「僕に聞かれても」
そのすぐ近くには扉があった。
「この扉が開くのに同じ答えが必要ってことか?」
「でも入力するパネルなんて、どこにもないよね……二江くん……どうするの?」
「扉が開いたりしないのかな?」
僕の言葉に反応して八島さんがドアノブに手をかけ、そして押す。
その先には長い通路があった。その上には等間隔で設置されたレーザーガンが見える。
「なんだこれは……」
「ここを突破しろってこと?」
「ねぇ、二人とも……あれ見て」
本田さんが指す方向、長い廊下の先には扉があった。そこにははっきりと目視できたわけじゃないけれど入力パネルが見えた。
「ますますここを突破しろってことだな」
そう言って、八島さんは駆け抜けていく。
「刑事さん、何を?」
「答えはさっきと同じなんだ。だったら、俺はさっさとここから逃げる」
レーザーが発射されるが、近づいたら発射されるレーザーは一度見てしまえば軌道は分かりやすく、避けやすかった。
それを照明するかのように八島さんは長い廊下を進んでいく。
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