幕間・5「独白」

 お前は復讐したいと考えていたのかな、佐久間零次。

 オレも復讐したいとずっと考えていた。

 オレも、笹川良子が殺されたときはひどく胸を痛めた。

 けれどお前のように泣き崩れたりはしなかったよ。

 オレは笹川良子と無関係だったから。

 だからお前がひどく羨ましかった、妬ましかった。

 でも何もできなかった。

 けど、

 お前を言い訳のように使って悪いけど、

 オレはお前の無念を晴らすかのように、彼女の復讐をする。

「名は何と言う?」

 十島のじいさんにそう問われたとき、

 だからオレはこう答えたんだ。

「佐久間零次」って。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る