はずかしあるばむ ～ダンジョン～

エロいスライム

　ダンジョンの最深部を目指すミツバ。深部に行くほど、モンスターは強くなる。そして、強いモンスターのコアほど、高値が付く。深部ほどマナが濃くなるのだが、強いモンスターほどマナが濃い環境を好むのだ。

　この階層で要注意とされるのが、妙な粘液で冒険者の服を溶かしてしまうスライム（通称「エロいスライム」）である。なぜか肌は傷つかず、装備アイテムまでは溶けない。

　たいていの場合、狙われるのは女性か男の娘だ。クールな女騎士（メインジョブが騎士の女性）だと、より一層狙われやすい。

　攻撃関係はヘナチョコでヘッポコなヘナポコなので、エロいスライムに負ける冒険者はまずいない。「くっ、殺せ！」と言っても無駄である。エロいスライムに殺された女騎士なんて聞いた事がない。

　しかし、エロいスライムが厄介なのは、異様に高い守りと体力を有している事。倒すのは困難だった。

　そのため、エロいスライムに捕まった冒険者の大半は、エロいスライムが満足するまで服を溶かされるしかない。

　服を溶かして食べているようなのだが、腹（どの辺が顔でどの辺が腹なのかは、学者の間で一大論争を巻き起こしている）が膨れると、どっかに行ってしまうのだ。

　ほとんどのモンスターは服を着ていないので、エロいスライムが服を溶かして食べる性質を持っている理由は不明である。学者が口を揃えて言うには「エロいスライムはエロの権化」だそうだが。

　真面目な研究者は、エロいスライムの粘液が持つ「肌を傷つけずに服だけを溶かす」という性質に注目し、真面目な薬品を開発中。研究が進めば、正常な細胞は傷つけず、ガン細胞だけを破壊出来るようになるそうだ。真面目な研究者、頑張れ。

　とりあえず。

　ミツバがエロいスライムと遭遇した。