はずかしあるばむ ~ダンジョン~
煌木咲輝良由花
プロローグ
彼女はミツバ。
人間(美少女)×魔剣士×黒魔導師の冒険者だ。
魔剣士×黒魔導師というジョブは、魔だの黒だのという辺りから、中二病ジョブとも呼ばれている。黒魔導師×魔剣士の場合も同様である。
このミツバという少女は天真爛漫な娘で、中二病ではないのだが。その辺のギャップが、男の冒険から人気を集めていたりする。
なお、魔剣士×黒魔導師は魔法関係の攻撃力が高いアタッカータイプ。逆に、守りや体力の面に不安要素がある。ミツバは、回避能力を高める事で対応していた。
今も──。
「当たらないよ!」
オオカミ型敵モンスターの遠距離攻撃を躱し、一気に肉迫。同時に詠唱を開始している。魔剣士×黒魔導師という組み合わせで発動可能な呪文だ。
長い魔剣に、紫と黒の中間のような色のオーラが宿る。
「これで……おしまい!」
大剣を横に薙げば、モンスターが断末魔の叫びを上げて消滅した。残ったのは、赤黒い宝石のようなもの。「コア」と呼ばれているものだ。
コアの使い方は、主に2つ。売って金に換えるか、錬成の素材にするかである。
ミツバは売ることにした。
「これなら、そこそこの収入になるよね!」
コアを仕舞うと、新たなモンスターの気配を察知。
ミツバは笑みを浮かべた。
「さあ、アタシの収入源になってもらおうかな!」
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