第2話表裏
現在この世界は表と裏に分断されている。
表と呼ばれる世界は朝には日が昇り夜には月が輝く。
人や動植物が住む何の変哲もない平和な世界である。
平和と言っても一般論でいう平和であるが。
一方裏の世界は異常という言葉が似合う。
表と裏の世界は表裏一体で建物の位置や自然物の配置はすべて共通している。
決定的に違うのは人が住んでおらず動物もいない。なので裏の世界は静寂に包まれている。
裏の世界には朝という概念がなく常に空は赤く染まっている。
その赤は夕焼けの景色に近いが血で染まった色をしていて気味が悪い。
裏の世界にも夜はあり、22時から2時までの四時間ほどが夜である。
俺たちの任務は裏の世界の影と呼ばれる霊現象の討伐だ。
影は裏の世界に徘徊する”何か”であり夜の時間に出現する。
その姿は人型で黒い霧のようなものに覆われている。
影を放っておくと表の世界に怨霊として干渉を始める。
それを阻止するのが月島家の使命であり、
呪いでもあった。
AtaraxiA @monnpeti
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