AtaraxiA

@monnpeti

第1話運命

朝起きて、学校に行って、友達としゃべって、笑いあって・・・。

帰ったら家族がいて他愛もない話をして一日が過ぎていく。

そんな毎日が好きだった。

何の変哲もない生活だったけど心は満たされていた。


いつから歯車が狂いだしてしまったのだろう。


きっと月島一真つきしまかずまとして生まれた時からそんな日常は嘘だった。


「一真。時間だ起きろ。」

その一声で意識が現実に引き戻される。夕焼けが眩しい。

「頬が緩んでいるな。いい夢でも見れたか?」

問われた方向に顔を向け答える。

「昔の夢を見ていたみたいだ。今日も一日頑張れそうだよ。」

会話の相手は人ではない。刀だ。正確に言うと日本刀の一種で名は景光と言うらしい。(本人談)

景光には意思が宿っていて人間のように会話もできる。声は低音で非常に落ち着いた中年男性のような印象だ。

「そろそろ22時になる。影の出現に備えよう。」

頷きながら景光を手に取る。

刀と会話していると119番通報されそうだがその点は問題ない。

この世界には俺たちしかいないからだ。





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