第14話 きく視点
私は不思議な人に会った。
その前に私の自己紹介をした方がいいかもしれませんね。
私の名前はきくです。この村の長であるとと様の女です。
この村には私と同い年の子がそんなにいません。いるのは、私と私の家から少し離れた場所にある村の入り口付近の家の矢兵衛君と、村の入り口付近の村の警護が仕事である家の次郎君ぐらいです。もう一人女のことがほしいところです。一番近いのは私よりも1つ下のマツちゃんでしょうか。とにかく、私は女の子が少ない環境で過ごしてきました。ですので、男の子と一緒にいるというのが当たり前でした。遊ぶのもいつも次郎君や矢兵衛君と一緒に遊んでいましたから。
しかし、最近あの二人が私と遊んでくれません。どうしてでしょう。何か私はあの2人に嫌なことをさせてしまったのでしょうか。2人にその理由を聞いて謝りたくても話を聞いてくれません。まず、それ以前に私と会ってくれません。謝りたいのに謝れないのです。悲しいです。
今日もいつもと同じように次郎君と矢兵衛君に会いに家に向かいました。しかし、いつもと同じように会うことすらできなかった。私は、はぁ~とため息をつきながら家に帰りました。そして、家に帰る途中です。そう、この不思議な男の人に会ったのです。
彼は小田忠志と名乗りました。黒い不思議な服を着ていました。こんな服今まで見たことがなかったので、きっと身分がかなり上の人なのでしょう。しかし、たぶん私と同い年だと思います。でも、私とはかなり生まれも育ちも異なる雰囲気がしました。やはり、身分が上の人なのでしょう。私は勝手にそう判断しました。
しかし、彼との出会いは一つの印象が残っています。
彼に胸を触られてしまいました。
私は別にそんなに困ることではないのですが、彼の方はかなり困惑というよりも動揺していました。どうしたのでしょうか。胸を触ったぐらいでそこまで動揺するなんておかしな人。私はそう彼を評価しました。
家に帰ってみるととと様に頼まれごとをされました。
「もしかしたら、この家にもう一人家族ができるぞ」
家族といって妹かな弟かなと思いましたが、どうやら違うそうです。どうも、村の祠において神様が現れたそうなのです。
ありがたいことです。
そして、その神様がどうも家で泊まるみたいです。ここに泊まってくれればわが家はわが村は安泰だととと様は言っていました。
私もそうだと思うのでうれしいことです。
はあ、早く神様に会いたいです。
そして、神様が早く来てくれないかなあと待ち望んでどれほどの時間が経ったのかわかりませんが、日が暮れてもう寝る時間になりました。とと様に案内されて一人の男の人がやってきました。その人は昼間私とあった人でした。いえ、人ではなく神様でしたっけ。私は神様を見るのは初めてなので神様とはこういうものなのだろうか勝手にいろいろと考えていましたが、案外人間に近いものなのですね。
男の人確か自分で名乗っていた名前は小田忠志でしたっけ。そんな名前だった気がします。そんな名前の神様は聞いたことがなかったので一体何の神様なのか気になりましたが、神様に聞いてみると「俺は人間だ」と言って教えてくれませんでした。
どうしてでしょう?
やっぱり神様というのはむやみやたらに自分が何の神なのか言ってはいけないものなのでしょうか。
答えはわかりませんが、実際に神様が教えてくれないのでおそらく正解なのでしょう。ですから、今後はそのことについて聞こうとはしないと決めました。私は一度犯した失敗は繰り返さない性質なのです。えへん。
私はその日は神様の横で寝るようにとと様に言われました。
男の人? 神の横で寝ることが怖いかってそんなことはありません。
私は普通にいつも通り寝たのでした。
神様の横で寝れるなんてなんて幸せなのでしょうか。
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