死にたがり屋と死神の奇妙な一週間

@koryu01kirito

第1話



「誰ですか?」



「オレ?オレね、俗に言う死神。」



ははは、と楽しそうに笑う女顔の男は僕のベッドの上でマンガを読んでいる。


誰だこの人。まさか、最近近所で出ている空き巣か?


「そんなの信じると思ってるんですか?帰ってください、警察呼びますよ。」



「え!?ちょっと待って!死神だってね、ヒマで来てるんじゃないんだよね。

し・ご・と・で・来てんの!」



一回もヒマとは決めつけてないんだけど。でも、自称死神が仕事で来てるって言うことは、



「僕は死ぬんですね?」



自称死神は、ビックリしたように目を見開く。そして大きな目を細めて、「え?」と質問してきたのだ。



「何そのリアクション、つまんないね。だいたい人間は死ぬって知ったらねぇ?ショック受けるの。それから『そんな!なんで俺が!?』って叫んで生きる方法を探すの。」



「探しませんよ。もし貴方がずっと家で僕のマンガ読んでたなら気づきませんか?」



死神は、綺麗な桜色の唇をとがらせて考えるけど「分かんない。」とあっさり降参した。

早すぎるだろ。



「僕には親がいないんですよ。あと友達もね。だから僕には死んでも思い残すことはないんです。」



死神は「珍しいのもいるんだね。」と笑った。

そして、僕はこの人を「自称死神」から「自称」がとれて「死神」と呼んでいることに気づいた。






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