「旦那ァ、あっしの化け猫姿を描いておくんなせえ」なんでエ、どう言うわけだいと、問えば語るも健気、江戸の裏側化け猫の渡世でござい。確かな描写と筆致で描かれる江戸の夜話です。江戸弁の化け猫・黒助の洒脱なキャラと、意外に堅実な化け猫社会の浮世がたりに和まされました✩
江戸の闇に生きる化け猫と、腕は好いのだがどうも凄みに欠ける絵を描く絵師が、青白い月の夜に出逢った。化け猫は、絵師に自分の姿絵を依頼し、それが描き終わるまで、不思議な自分の生い立ちを話す。江戸の闇に生きる妖しと、それに気づいた絵師佐吉の物語り。