2-2-4) 寝る場所が...

今までの話を読み返していると自分の文才の無さに泣けてきますね...

これからどんどん読みやすいように頑張っていくつもりです!

そして今回は人称について少し気をつけながら書いていこうと思います。

---------------------------------------------------------------------------------------------------------


改めてお店に戻った私は、木鉛さんのいるカウンターへと向かう。今度は口座もあるし大丈夫なはずだ。ようやく念願のお金がgetできる!


「おっ、湯原さんおかえり」


「ただいまです」


「その様子だと上手くいったみたいだね、よかったよかった」


「木鉛さんのお陰です。本当にありがとうございました」


「いやいや、俺もこんなかわい......」


木鉛さんは何か言いかけて口をもごもごさせている。何か食べてる途中でも無いのに変なの。


「......っと、まあ、その、なんだ。ちゃんと口座は作れたかな?」


「はい。これが口座番号です」


なんだか流されたような気がするけどまあいいか。とりあえず役場でもらった書類から口座関係の書類を渡す。


「おっけ、これで振り込みができるな。それじゃあさっきのお品をまた載せてくれるかい」


またお金を言われた場所に置く。そのままお金は木鉛さんの方に流れていって、ロボットがどこかに持って行った。向こうで再び検査をするらしい。


「また少しお時間をいただくね。そうだ!その間に俺が必要な物とか揃えてあげようか」


おお、それは嬉しい。何が必要なのか頓珍漢だったから、ここで必要な物とかこの時代の常識とか色々聞いておきたい。


「よろしくお願いします」


「お安い御用で!」


そして、木鉛さんはカウンターから出てきてお店の中を案内してくれた。


「とりあえずARHMDだ。これは色々種類があるけど、俺がオススメするのはこれかな」


「服はここだ。大体ここにあるやつを選べば間違いはない。好きな服を選んでね」


「後はかばんかな。これとか背負った時の負担が少ないタイプで女性にも人気だよ」


「そういえば靴も新しいのが良いね。昔の靴はなんだか重そうだ。ココらへんが最近の女性の人気商品だよ」


木鉛さんに言われるがままに色んな所を歩き回され、言われたとおりに商品を選んでいく。貸出用ARHMDを使えば目の前で実物を見ることができるから買い物もすごい楽だった。服とか体の動きに合わせて表示してくれるから本当に着てるみたいでびっくり。


「とりあえずこれぐらいあれば生活はできるかな......あ」


「はい?」


「今晩泊まるところってある?」


「どこかホテルがあれば良いんですが...」


「ホテルって久しぶりに聞いた...ホテルかぁ。ココらへんにあるかなぁ...」


そう言った木鉛さんはARHMDでホテルを探してくれてるみたい。まだ私はARHMDを使いこなせない。できることが多すぎていきなり扱えたものじゃないって...!


「う〜ん、ココらへんは観光地じゃないからホテルは無いなぁ...」


「えっ!どうしよう...」


これはヤバイ。ヤバイって言葉、今の時代に残ってるのかなーとか考えちゃったけどそんな暇ないよどうすんの!?寝るところ無いんじゃ野宿しかないよ...


「あ、そうだ」


「何かいい案が!?」


「俺のアパートに来るかい?」


「っ......!」


今日知り合った男の人の家にお泊り...お泊り......

この人は悪い人じゃないってすごーくよーく分かるんだけど...


「どうかな?」


「えっと、その、今日知り合ったばかりで...」


「あー......いや、違う違う。俺の部屋じゃなくて。俺、アパート経営してるんだ。学生向けに」


「なんだ...びっくりさせないでくださいよ〜」


「いやそっちが勘違いしただけじゃ...」


「とりあえず、今晩はアパートにお邪魔させていただけますか?」


「お安いご用!そうだ、そろそろ鑑定結果出てくるんじゃない?」


そう言って木鉛さんはカウンターに戻って行く。私も遅れないようについていった。


「はい、鑑定結果は同じだ。850万。これで良かったら手のひらを載せてください」


言われたとおりに手のひらをパネルに載せる。仕事をするときは言葉遣いも戻るんだなぁ...

そしてその後にアカウント情報を記入。口座の登録をやってもらい、口座にお金が振り込まれた。


「それじゃあ、さっき選んだ商品を買わないとね」


スムーズにお店での買い物へ誘導するとは、なかなか優秀な店員だ...と思いつつ、必要なので買い物を進める。もう既に選び終わってたので、後は支払いをするだけだ。

さっきと同じく手を載せてアカウント情報を記入する。これだけで買い物ができるなんて便利だね〜...


服を結構買ったのと、食料も買い込んだので、一気に持ち帰ることは難しかった。

結局、配送サービスで送ってもらうことになった。


「よし、じゃあちょうどいい時間だしアパートに案内するよ」


時間は3時を回ったところ。この時代は3時が定時なのかな。てか働いてる人少すぎない?


そんなことを考えてたら木鉛さんが私服になって戻ってきた。木鉛さんについていくとまたもや車が待機していた。


木鉛さんに促されて車に乗ると、車はすーっと動き出し、木鉛さんのアパートに向かっていく。


「湯原さんの時代は車はタイヤが付いててそれを回していたんだよね」


「凛でいいですよ...そうですね、私の知ってる車はタイヤが4つ付いていてソレが回転して進む仕組みです」


「僕のこともクラウスって呼んでくれて構わないよ。そっかー、その時代の車に乗ってみたいものだ」


「ただうるさくてガタガタ揺れるだけですよ」


子供の頃はその揺れでひどく酔っちゃった。今の時代、乗り物酔いなんて言葉は無くなってるのかもな〜...


「それもまたいいものですよ」


「そうですかね〜...」


浪漫、ってやつなのかな。




そんな話をしてる内に、木鉛さんのアパートに着いたみたいだ。


「ようこそ、『木鉛アパート』へ」


ひねりの無い名前......とは口に出さずに、買った物を持って部屋まで案内してもらう。


「ここが空き部屋だよ。玄関にキッチンにお風呂トイレ。お部屋は二部屋で家具は全部揃ってます。今日からここが凛さんのお部屋です!」


そう言って部屋の中に入っていく木鉛さん。彼の話がそのままなら今からすぐに住むことができそうだ。

私も木鉛さんにつづいて中に入る。


まず目についたのはキッチン。シンクが超小さい。ガスコンロもないしIHもない。多分冷蔵庫なんだろうな...って物が一つとよくわからない家電が二つ。

多分大きさ的に洗濯機だと思われるものが一つ。


これ、料理する場所無いよね...


ちょっと不安になってきたぞ...?


お次はバスルーム。どんな感じかな...と不安になりつつ見てみたら、これまた驚き。

バスルームすべてがバスタブだったのだ。これ、シャワーなら良いけどバスタブにお湯ためた時、体と頭洗えなくない?

その分バスタブは一人暮らしにしてはなかなかの大きさで、体を伸ばしてゆっくりするだけのスペースはあるみたいだった。


お次はトイレ。ここも重要だよね。

ここもなんかすごいのかな...と思っていたけど、あまり変わってなかった。デザインは結構違かったけどね。


そしてお部屋二つ。手前と奥。奥の部屋に行くには手前の部屋を通らなくちゃいけない配置だった。これは奥の部屋が寝室かな?


家具は衣装棚と書棚、机に椅子。照明がやけに小さい上に明るいって所以外はあまり変わらなかったなぁ。次の部屋も同じかな...っとぉ!?


TVがついてる。しかも超薄型ってか壁に埋まってる?しかも大きいよ。30インチはあるんじゃない?


しかもふかふかそうなベッド。多分ダブルサイズ。ふかふかな毛布と布団もついてる。あと大きめなソファーも。


これはQOLが高まりそうだ。引きこもりになっちゃうな。


「家具一式と、このアパート限定でTVとソファーもついて、なんと月々1万9800円!」


なんかどっかのTVショッピングみたい...


「どうです?さっきから無言だけど...」


「ああ、いえ、やっぱり時代が変わると結構違うんだなぁと」


「そうか、そうだよね。まあ住んでればその内慣れると思うよ。多分、凛さんの時代よりは住みやすくなってるはずだから。あと、分からないことがあったら大家一家、俺と父さん母さんに聞いてくれればいいから!」


「あ、私の秘密は他の人には...」


「そうだね、この秘密は誰にも喋らないよ」


クラウスさんはすぐに喋っちゃいそうだけどね...


「あ、でも木鉛さんのお母さんとお父さんには話しておこうかな」


「そういうことなら、後で時間を取ってあげるよ。そうだ、ARHMDの設定したら、周辺検索で『CLAUS』ってやつ見つけてアポ送ってね」


「わかりました。ありがとうございます」


「いいっていいって。とりあえず荷物とか片付いたらARHMDでポストしてね」


そう言って木鉛さんは玄関から出て行った。

とりあえず寝るところはgetできた。


これからどうしようか...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る