Minecraft開拓編

初めてのMinecraft

2-1-1) 作業台と仮拠点

ここからやっとMinecraftのプレイが始まります。





設定を終えた俺は早速プレイ動画と情報共有サイト、通称Naryで得た知識を元にやるべきことを考えた。


「確か...まずは"原木"を手に入れるんだったよな」


「動画では殴ってたけど...ほんとに殴るの?」


まさか本当に木を殴るのか?と不安になるが、木に近づくとポップアップが表示される。


『素手でブロックを壊したい場合、対象を数回殴ることで破壊することができます』


「......まじかよ」


「本当みたいだねぇ」


まじですか。これ殴るんですか。なぜこんな所を再現しちゃったかね...

しかしとりあえずやってみないと始まらない訳で。目の前にある木の幹を"殴って"みる。


ズガ。ズガズガ。

ズガズガズガズガズガ。


ポンッ。


「全然痛くないな」


「きゃはははは」


「何わろてんじゃい」


急に笑い出すロゼ。そんな面白かったか。どうせこれから同じことをするのに大丈夫なのかねぇ。


「ほら、ロゼもやってみな」


「任せて!こんなの簡単よ」


威勢よく木を殴り始めるロゼ。それを見つつロゼが笑った理由が何となくわかった。こりゃ面白い。思わず俺も笑ってしまった。


そうこうした後、原木を手に入れた俺達はまたまた出てきたポップアップを読む。


"インベントリを開く、と頭のなかで念じてください"


言われたとおりに頭のなかで念じる。

すると視界の右下に所謂「インベントリ」が出てきた。UIは昔のものから少し変更したらしく、自分の姿と持ち物のみ表示された。確か作業スペースがあったはずだが...


"作業スペースを開く、と念じると作業スペースが出現します"


続いて出てきたポップアップに従い作業スペースを呼び出す。すると目の前に2×2の作業スペースが出てきた。

ここにアイテムを配置することで様々なアイテムを作成できる。確か動画ではそんな説明をしていたな。


"インベントリから使いたいアイテムを選択し作業スペースにセットすることでアイテムを作成できます"


ほほう。右下のインベントリから目の前のスペースに移動させるんだな。

横を見るとロゼも同じように作業している。Minecraftの醍醐味でもある「クラフト」の初体験だ。

まずは原木を選択。すると目の前に原木が出現する。それを手に取ると、先程まで殴っていた感触とは程遠い、しっかりとした「木」の感触を感じた。

そのままスペースに置くようにしてセットする。

するとスペースの下側に新しいアイテムが表示された。


これが「木材」ってやつか。

新たに出現した木材を文字通りつかむようにして手に取る。取った瞬間にスペースにあった原木は消えてしまった。今度はつるつるな表面だ。よく見ると右下あたりに「4」の数字が浮かんでいる。木材を回転させても数字だけはそこにとどまっている。多分数を表しているのだろう。


"手に持っているものをインベントリに戻すにはインベントリを開いたまま、インベントリの方に向かって投げ込んでください"


投げ込むのか。なかなか楽しい操作方法だな。夢中なあまり無言で操作し続ける俺とロゼは更に原木を3つ持ってきて木材に"クラフト"した。


「超楽しい!!!」


「思ったよりも操作が面白いなこれ」


そうして俺達は原木を集めて、合計で120もの木材を手に入れた。

確か次は「作業台」をクラフトするんだったな。作業スペースを広げて木材を4つ並べる。すると作業台がクラフトできた。


「作業台はこっちで作ったよ」


「あいよ〜ありがとう!」


「まずはピッケルかな」


「そうだね〜夜が来る前に石ツールと松明は作っておきたいなぁ」


できた作業台を先ほどと同じように取り出して目の前に設置する。実際に物を置くみたいですごく楽しい。作業台は近づいて念じるだけで同じように使うことができ、作業スペースと違って3×3まで使えるので作業スペースではクラフトできないようなアイテムもクラフトできるのだ。


その大きなスペースを使ってピッケルを作る。まずは木材を2つ縦に並べて棒をクラフト。その棒を2つ、木材を3つ使ってピッケルをクラフトする。出てきたピッケルは木製にしては軽く、振り回しやすい形だった。


「ちょっくら石掘ってくる」


「あいよ〜お願い!」


近場にはちょうどよく石が顔を見せている場所があったので10個ほど手に入れる。まずはピッケルと剣だけで十分だろう。

妹はというと、必死に羊を探して回っていた。羊毛がないとベッドが作れない。それは即ちモンスターがうじゃうじゃ湧いてくる夜を過ごすこととなりとても危険だ。穴にでもこもってないかぎり死亡不可避だ。

しかし意外に羊がいないそうで、次の目標は羊探しとなった。


「とりあえずピッケルと剣の分の石」


「ありがと〜」


アイテムの受け渡しは手に取ったあと投げることでできる。ただしどれだけ本気で投げても飛ぶ距離に限度はあるみたいだ。俺は石を5個選択し(念じるだけで調節できた)妹にむかって投げる。

お互いに必要なツールをクラフトし、準備をすませる。


「とりあえず周りの地形を把握したいし歩き回ろう」


「そうだね〜、あと食料の問題もあるや」


「食料か。地味に問題だな...」


「走れなくなっちゃうのは面倒だよ〜」


食糧問題。今は満腹度も最大だけど、いつ0になるか分からない。動画では小麦畑を作ってる人がいたけど、すぐに取り掛かれるわけではなさそうだ。しばらくは動物を狩ってお肉を焼くしかない。

難易度がノーマル以上だと満腹度が0になるとだんだん体力が減っていって瀕死になるらしい。しかもハードでは瀕死では済まない。死んでしまうらしい。所謂"餓死"だ。

今はイージーモードでやってるので死亡の心配はない。イージーモードでは体力は半分までしか減らないのだ。


程なく歩いて、周りの地形をざっと確認したところ、


北・・・砂漠の海


東・・・砂漠、川を挟んで途中から白樺の森


南・・・山地


西・・・平地


と、こんな感じだった。

そして平地にて無事羊を発見。日も暮れかけていたので急いでベッドを作って木材で仮拠点を作る。


「とりあえずモンスターが来ないようにすればいいから」


「豆腐になっちゃうよ?」


「それもこのゲームの醍醐味らしいよ?」


「ふ、ふ〜ん...」


そしてロゼと一緒に仮拠点を完成させ、ベッドを設置、急いでベッドに寝る。


「わお、カイ兄と一緒に寝るの久しぶりだぁ」


「だからなんだよ...」


まんざらでもないロゼはおいておいて、俺は次の日から何をすればいいか考える。

やることはといえば、

食糧問題、農場作り、動物捕獲

安全問題、拠点づくり、湧き潰し

資材問題、洞窟探検、木材伐採

こんなところだろうか。湧き潰しとはモンスターの発生しない条件、"明るい"を満たすために活動地区の辺り一帯に松明(明かり)を設置してモンスターの湧きを防ごうという活動だ。これをしないと常時モンスターと戦うことになってしまう。


「まずは拠点作成かな...」


「ひゃっほい!建築だ!」


「そんなにはしゃぐなよ...」


はしゃぐ妹を横目に見ながら、ふと"いつ眠りにつくのだろう"と疑問に思った。

まさかと思い"寝る"と念じると...

少しづつ感覚がなくなっていく。視界も暗くなっていく。音もだんだん聞こえなくなっていく...

まるでログアウトみたいだ。そして暗闇で何も聞こえない空間で止まってしまった。


「カイ兄?おーい」


事情が分かっていないロゼはカイに声をかける。

カイは"起きる"と念じた。少しづつ感覚が戻ってきた。


「ロゼ、"寝る"と念じないと寝れないわ」


「本当に?めんどくさいね〜...」


そうぶつぶつ言いながらロゼは眠りに入った。カイも続いて眠りに入る。

すると次は暗闇で止まらずに朝になる。




相変わらず狭い拠点の中にいると、樹の下で生き残っているゾンビたちの声が聞こえた。


「この数ならみんな狩れるでしょ」


「どんとかかってこい!FPSで鍛えたエイムで無双してやる!」


「関係有るのか...?」


どうもロゼは変な場所で盛り上がる節がある。そんなロゼに周りの安全確保は任せ、俺は拠点づくりを開始する。拠点と言っても本拠点ではなく"チェスト"や"かまど"がおいてある簡素なやつだ。

ロゼには安全確保のついでに原木採取、小麦の種採集、石炭の採掘をお願いしておいた。俺はさっさと安全かつ便利な家を建てるとしよう。

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