1-2-2) スキンとテクスチャ
「......ん?」
俺は目の前に出てきた画面を前にしばし考える。
"シングルプレイ"と"ローカルマルチプレイ"と"グローバルマルチプレイ"の3つがある。
『カイ兄、これは何を選択すればいいのかな?』
すると視界の端にチャットが出てきた。すでにロゼのSWとはフレンド登録がしてあるのでこうやってチャットを送り合える。もちろん通話も可能だ。チャットはキャラクターが吹き出しで喋っているように表示される。今は初期キャラのレイが喋っているように表示されている。これは後でキャラをダウンロードしてくれば変更が可能なようだ。すでにテンプレートが公開されていて発売前からたくさんのキャラが公開されている。俺も後で見てみるかな。
『多分ローカルマルチプレイだね。選択したら近くのプレイヤーが表示されると思う』
俺はロゼにそう言って自分も選択する。
すると目の前に泡が一つ出てくる。
"ワールドを開く"
『ワールドを開くでいいかな?』
『いいよ。開いたらちょっと待ってて』
少し待つと、泡が上から降りてくる。そこにはワールドの風景らしきものが映っていて、近づくと"ロゼのワールド"と表示された。
俺がその泡に触れると視界がだんだん暗くなってきて体の感覚が薄れてきた。ログアウトと同じみたいだな。
少しも待たずに感覚は戻ってきた。が今度はしっかりと重力が感じられる。周りを見渡すとそこら中が木、木、木。
ブロックで表現された木の密生する森に出たようだった。
「お、カイ兄発見〜」
振り向くとこれまたカクカクな...
「......ロゼ?」
「うわ〜お、カイ兄もカックカクだ!」
見た目は全くの別人だった。金髪なのは変わらないがちょっとくすぶった色。しかも長髪。そして......
「ふっふ〜ん。背が同じだね!」
「...良かったな。」
俺の胸元に届くぐらいのチビだったこいつが同じ目線に立っている。
「やっぱり最初は『すてぃーぶ』なんだね」
ロゼは何を言ってるんだ...?と思って自分の手を見てみると...
「うわ...肌が黒い」
焦げ茶の肌、しかも服がダサい...ちょっとはみ出てるし。
流石にたまったもんじゃない、ということでこれまた便利なネットワークブラウジングを利用して検索をかけてみた。
「"Minecraft 体 変更"っと...」
おお、いろいろ出てくる出てくる。
動画では話してなかったし全然知らなかったな...と思いながらカイは所謂「スキン」について調べ始めた。
「お、自分で作れるのか」
「自分で作れるの? 作りたい!」
ロゼもそう言ってるし今日はスキンづくりかな。
そう思いつつ調べたとおりにスキン作成ウィジェットを起動する。実際の外見を見たまま作成できるらしい。そうして俺はロゼと一緒にスキンを作っていった。
「ん?『リアルスキン』か。ちょっとリアルになるのかな」
と、ウィジェットのボタンに気になる文字を見つけた。
しかもご丁寧にボタンの下には注意書きが書いてあった。
"デフォルトスキンだと手足の感覚と見た目が一致しないため慣れるまで時間がかかることがあります"
「う〜ん、どうする?」
「まずはリアルスキンでいいかな、慣れれば変えてもいいし、ずっとリアルスキンでもいいや」
ロゼがそう言うなら、とまずはリアルスキンを試すことにした。
設定するとこれまた見事に人間そっくりな姿形になった。さっき作った衣装を着てさっき作った肌の色、髪型をしている。さすが最新鋭ゲーム機なだけあるな。
(しかも身長がプレイヤーの実際の身長を参考にしているらしく、ロゼの身長が低くなってしまった)
ついでだからといろいろと探ってみると、"テクスチャ"というものを見つけた。
ブロックの見た目が変わるらしい。今のデザインも嫌いじゃないけど、変えられるのならば好きなモノを探してみたい、ということで二人してテクスチャを探してみた。
「へ〜、昔のフォイマン型の時のテクスチャがそのまま使えるのか」
互換性の高さに感心する。開発者に心のなかで頭を下げつつテクスチャを漁っていると、なかなか良さ気なものを発見した。
「これいいね」
「うん、私もこれがいいかな〜」
満場一致、ということで早速設定してみた。
「わお〜」
「意外と変わるもんだな」
「すごい!太陽が丸くなった!水が透明に!雲がリアル!」
はしゃぐロゼを横目に更に検索を続ける。
すると「影概念の導入」というものを見つけた。なんでも更にリアルに近づけてくれるらしい。てことで早速導入。
「!!??!??」
いきなり景色が一変して困惑するロゼ。
「おお〜なかなかいいねぇ」
「なにこれカイ兄!水が揺れてる!葉っぱが揺れてるよ!」
興奮するロゼ。よほど満足したのか、さっきからはしゃぎっぱなしだ。そのことに満足しつつ、
「まずはこんなところかな〜」
Minecraft、始めます!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます