第5話 病
どんな凶暴な動物も寄せ付けない赤い光を手にしたいたずらの神様ですが、なにやらおかしなことに気が付きました。これまでいたずらの神さまは、神さまなので死んではまた生き返り死んではまた生き返ることを繰り返してきました。以前はよくライオンに食べられて死んでいました。しかし、振り向ければすべての動物が逃げ出す赤い光を手にした今、ライオンに食べられることはなくなったのです。なんと素晴らしいことでしょう。これでずっと生きていられると思いました。もう二度とライオンに襲われるような怖い思いをしなくても済むと思いました。しかし死はまた訪れました。不思議なことに一体何の動物にも襲われていないのに、いたずらの神さまは死んでしまいました。また生まれ、そしてまた死にました。死ぬときは決まって、手足の肌が象のように皺くちゃになり少しずつ体が動かなくなって倒れ、死んでしまうのでした。なんということでしょう。あの恐ろしいライオンから襲われなくなったのにそれとは関係なく死んでしまうのです。いたずらの神さまはこう思いました。「これは天の神様の仕業に違いない。なんて酷いことをするんだ。俺はなにも悪いことはしてないのに。」
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