第2話 気づき
洞窟に持って帰った赤い光は、2~3回寝て起きた頃にはなくなっていました。いたずらの神さまはせっかくとってきた赤い光がなくなってしまったのでとても悲しい気持ちになりました。でも、なくなってしまったのはのはしょうがありません。気持ちを切り替えてまた、鳥に石を投げたりして遊んでいました。天の神様がまたあのすごいいたずらをしてくれないかと時折思っていました。だいぶ時が経ったころ、またあの大きな音がしました。今度は前よりだいぶ遠いところで音がしたようでした。しかし、これを待ちに待っていたいたずらの神さまは遠いのも気にせずどんどん歩いていきました。あの赤い光をもう一度見たいと思っていたのです。待ちに待ったこの時です。今度こそ赤い光をなくすまいと思い、赤い光のついた枝をたくさん集めて洞窟に持ち帰りました。帰ってくると洞窟の壁に赤い光を並べてみました。そこでいたずらの神さまは思いました。「そういえばこの前は寝てる間に赤い光が消えてしまったんだ。ねずみか虫か他の誰かが持って行ったのかもしれない。そうだ!今日はずっと寝ないでいよう。」そう思っていたずらの神さまは寝ずの番をすることに決めました。夜はいつもは真っ暗ですが、今は赤い光があるので不思議と怖くありません。夜でも明るいのです。しばらくすると、何本かの赤い光が消えてしましました。いたずらの神さまは「そうか。この光はなくなってしまうんだ。」と思いました。しかし、まだ何本かは残っています。それも不思議だなぁと思って、よく見ていると木の小さいものから赤い光がなくなってしまうことに気が付きました。大きな木についた赤い光はなかなかなくなりません。それに光のなくなったところは、木もなくなって真っ黒な粉だけが残っていました。残りの赤い光のうち、棒の短いものがいよいよなくなろうとしていました。いたずらの神さまは、これはよくない、なんとかこの赤い光を残せないものかと思っていました。そうやってよく赤い光を見ていると、赤い光は少しずつ木を食べるように進んでいるではありませんか。「もしかしたら木を食べているのかもしれない。虫のようなものかな?」と思って、棒の先についた赤い光を別の棒に近づけてみました。するとどうでしょう。別の棒の方にも赤い光がくっついたではありませんか。「あたりだ!この光は木を食べているんだ。そうと分かればたくさんの木を持ってこよう!」一目散に森へ駆け出し、たくさんの小枝を集めてきました。そして、赤い光に近づけると一つ、また一つと赤い光が増えていきました。そうして、どんな暗い夜でもいたずらの神さまの洞窟だけはいつも明るい光を放つようになったのです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます