期間従業員

□月給:180k〜300k

□期間:一年

□支払日:月末締め


□備考:寮あり、制服貸与、サビ残無し、有給あり(規定あり)、慰労金あり、社食あり、厚生年金加入、雇用保険加入


□収入:★★★★☆

□兼業:★★★☆☆

□危険:★☆☆☆☆

□ネタ:★☆☆☆☆


□実働時間(二交代制)

昼勤:08時〜17時(+あれば残業)

夜勤:20時〜05時(+あれば残業)




□至った経緯

1:復興作業の最初の求人先が愛知で、行ったは良いがまさかのガセ。逃げ出して生活基盤を回復すべく半年ほどト◯タ関連の会社でお世話になった。


2:復興作業の後、創作活動の再開に向け半年ほど神奈川の某トラック工場にて従事。




□業務内容

 基本的には、一つ(一連)の作業内容を指示され、それを始業から終業までひたすらに繰り返す。ラインが止まるなど工場内が暇な時は掃除や雑務を命じられる事もあるが、それは飽くまでも例外。同じ作業の連続に飽きが来ない人にはお勧めの仕事。




・例:製造ラインの場合

 愛知県の時がこちら。前方から流れてくる車体の中に入り、インパクト(おもちゃの銃の様な形状をした、ネジを回す工具)でドアを外し、ハンドル(ドアをセットし移送するアーム)からエレベーターにセットして上階に送る作業。

 

 当時は震災の巻き返しでラインがフル稼働しており、熟達の職人でも追いつけない程の速さだった(部長曰く、戦後最速)当然ながら筆者が追随出来る筈も無く、常にカバー要員が周囲に待機しながら作業を行う、割と過酷な状況だった(ちなみに鉄板入りのミリタリーブーツを買って作業にあたったが、二ヶ月とせず底に穴が空いた)




・例:検査の場合

 神奈川ではこちら。日がな一日部品の検査を行う地味な仕事。その分体力は不必要で、終業後に副業を挟む余力すらあった(ただし昼勤のみで残業は無く、福島の稼ぎに味をしめてしまった筆者にとっては些かに物足りなく、それが以後の人生の曲折にも繋がる訳だ)




□実際のところブラックなの?

 筆者が学生の頃、派遣切りだ何だとテレビで騒がれた期間従業員。ところがいざ働いてみれば、極めつけのホワイト。下手な飲食業や接客業なんかより余程というか、限りなくホワイトに近いクリーンな職場だった。

 

 サビ残なんか一切無いし、始業のギリギリに来ればお咎めは無し。もちろん終業と同時にダッシュで帰る。面倒な人間関係も無く、寧ろ「ここで愚痴垂れるなら、どこの職場行ったって駄目だろ」ってレベル。


 ぶっちゃけ何年と期間従業員をやってて、離職の折の貯蓄も無いって時点で舐めてんのかよって話。次項で言及するが、遊びさえしなければ金は貯まる仕事なのだ。片翼のマスコミに踊らされちゃあいけない。




□Q:その待遇って? A:寮がつくぞ

 先ず寮が付く。愛知の時は会社が寮を委託いていた為に寮費(食費込み)を棒引きされていたが、神奈川の場合は借り上げの為タダだった。

 

 具体的に言えば、湘南台の駅から徒歩5分の1Rが光熱水費家賃0円。相場60kとして光熱水費を含めれば80k。これがまるまる浮く訳だからとにかく大きい(立地は会社から徒歩10分だ)




□厚生年金、雇用保険にも自動加入だ

 これは基本給から棒引きされるが、実質家賃と割り切れば気が楽な筈だ。雇用保険も便利なもので、ここで二年間働きさえすれば、失業保険で食いつなぎながらの創作活動なんて選択肢も視野に入る。税務処理も会社がやってくれるから、面倒な事が何一つ無い点も有り難い。




□慰労金が付くぞ

 これもポイントの一つ。会社によって異なりはするが、三ヶ月につき180k、半年につき300kなど、充分ボーナスに値するだけの額を手に出来る(受給資格は無遅刻無欠勤で、これらの回数により額が減らされる)つまりは仮に180kを3で割り、各月の基本給(年金棒引き後)に振り分けるだけでも、軽く200kは超える計算だ。しかも家賃が引かれる事は無い。毎月100k以上の金を自由に使える仕事なんて、今のこの世にどれだけあるだろうか?




□他にも準備金などが付く場合がある。

 やはり企業によって異なりはするが、赴任手当や食事手当、準備金の名目で就業から半月以内に30kから50k程度のボーナスが別途支給される。




□有給もある

 半年の勤務を条件に掲げる企業が多いが、有給は規定の日数を取らせてもらえる。そしてそのことに対する嫌がらせや圧迫も無い。




□お盆休みに正月休みもある

 もちろん日給制だから、仕事が無い期間は=稼げない期間でもある。しかしこの事の何が重要かと言えば、すなわちコミケには絶対に参加出来る日取りな点だ。イベントに参加するからと言って事前に休暇を申請したりする必要は無い。工場は盆と正月は絶対に休みになるのだから(別にイベントに出ないのであれば、その間に短期のバイトを入れるなどして身銭を稼げば良いだろう)




□デメリットって何かあるの?

 やはり単純作業である事への精神的苦痛。これが乗り越えられないと結構キツイ。そして日勤夜勤の交代制というケースもままあるので(筆者の場合、ラインが交代制の、検査が日勤だった)体調を崩しやすかったり、工場内の空気が淀んでいる所為で肌が荒れやすくなるなどといった欠点がある。挙げるとすればその程度だろうか。




□総括

 クリーンでありながら生活に充分な賃金を得られる、兼業の創作者に最もお勧め出来る仕事の一つ(筆者は割と職種を重ねてはいるが、ここまでホワイトで、且つ収入を得られる仕事は他に無い)と言える。


 機材購入の為の資金集め、奨学金の弁済、趣味に充てる金の造成など、各々の目的に応じた形で臨む事が可能だろう(事実、3年で就活を終わらせ、奨学金の返済の為に4年目を工場で過ごす学生も幾人かいた)


 特に藤沢(神奈川)であれば、ビッグサイトも一時間圏内だ。

 現在の仕事に身を捧げるつもりが無く、飽くまでも本業は創作なのだという諸氏には、首都近郊に身を置く際の一時の仕事として一考の余地があるのではないだろうか。


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