第24話 言継
「赤城団団四部隊部隊長長野原言継だ」
正行と美緒の2人の前に現れた男。彼は自分を赤城団の第四部隊部隊長と名乗った。赤城団を始め各団にはそれぞれ遊撃隊を有している。その遊撃隊は団によってまちまちだが、10から15程度の分隊で成り立っている。それぞれの部隊の部隊長はかなりの実力の持ち主である。
その実力の持ち主が2人の目の前に現れた。美緒も榛名団第三部隊部隊長であるが、正行自身はただの一般隊員である。美緒相手にはうまく戦い勝つことができた正行であるが、2人目の部隊長格に勝てる保証はなかった。
(……どうしたものか)
正行は、悩む。
この状況で戦いを避けることは不可能だろう。
それは悟っていた。
じゃあ、どうするのか。正行は考えていた。
美緒の力を借りるしかない。
自分ひとりで勝てる自信がなかったからだ。
「四部隊部隊長さんですか……」
正行は、とりあえずいきなり戦いに始まるのを避けようと何とか言継との会話を始める。
会話をしてなんとか時間稼ぎをして戦いを避ける手段を見つけなければ。
「ああ、だから無駄な抵抗は諦めるんだな。さっさと赤城団の軍門に下れ」
隙が無い。
正行は、何とかして戦いの回避の手段を考えていた。それと同時に戦いに勝つ手段も考えていた。しかし、言継は正行が動こうとするのを予期していた。正行が、一歩動こうとすると先にそっちに一歩動こうとしていた。
「ちっ」
正行は舌打ちをする。
戦いづらい。
やりづらい。
もう正行は、どうすればいいのか分からなくなっていた。
「さあ、戦うしかお前らには活路はないぞ」
言継は、正行たちに迫る。
今、正行と美緒は岐路に立っていた。
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