第23話 敵襲

 赤城団の本部の入口がかれこれずっとわかんなくなっている2人。


 傍から見れば完全に不審者となっている。


 赤城神社の境内でうろうろしている2人組。何もせず。何もせずだ。普通の観光客であれば赤城神社にお参りをするなり、大沼湖畔を見るなり、恋に餌をやるなりいろいろなことをしているはずだ。


 それなのに2人は赤城神社境内でうろうろ周りを見渡すだけ。行ったり来たりをする。


 これは完全に不審者だ。


 そして、その不審者を警戒する人物がもちろんいる。


 それは警察……ではなかった。



 「すみません。あなた達は何をしているのでしょうか?」



 「え?」



 「ああ、ごめんなさい。ちょっと、場所が分からなくて悩んでいまして」



 男に声をかけられた。


 正行はとっさのことに反応することができなかったが、美緒はすぐさま私達は道に迷っているアピールをする。



 「そうだったんですか……それでどこに行きたいのですか?」



 男は行き先を尋ねてくる。


 だが、正行と美緒は悩んだ。


 素直に赤城団の入口と言えないからだ。一般の人は赤城団の本部の入口がどこにあるかなんて知らない。だから、正直に答えたところでこいつらは何を言っているんだ。というような反応をされてしまう。


 だから、2人は彼に話すにも話せなくて悩んだ。


 しかし、次の瞬間2人は驚愕する。



 「お前らは赤城団の本部の入口が知りたいんじゃないんか?」



 「え?」



 「え?」



 2人して驚愕する。


 驚く。


 なぜ、それを知っているのか。2人はそんな顔をする。


 正行らに声をかけてきた男をしっかりと確認する。


 いたって平凡そうな男だ。


 年齢は俺より少し上ぐらいで身長が180もある。かなり身長が高い。顔は普通。だから、平凡そうな男に見えた。


 だからこそ、油断していたのかもしれなかった。2人は。この男は関係ないただの民間人。そんな慢心があったのかもしれない。



 「私が一般人。そんなわけないじゃないですか。赤城団第四部隊部隊長長野原言継だ。ああ、よろしくな。と、言ってもお前達と会うのはこれで最後になるかもしれないがな」



 「……」



 「……」



 2人にとって最大級のピンチがやってきたのだった。



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