第7話 問答

 「ねえねえ正行君顔真っ赤だよ」



 「真っ赤じゃないです」



 「いや真っ赤だよ」



 正行は同じ妙議団に所属している年上のお姉さん女子大生の倫子に現在密着されている状況だった。これは男だったらとてもうれしい状況である。ゆえに正行も男であるのでかなり緊張して真っ赤になっていた。恐ろしいのはそれを倫子が天然でやっていることだ。計算でやっていないから恐ろしい。



 「真っ赤じゃないですよ」



 「嘘だあー~」



 「嘘じゃないです」



 正行は倫子の言葉をずっと否定する。しかし、否定しきれていないことをしっかりとわかっている。



 「じゃあ、正行君。嘘ついたからお仕置きねえ~」



 「うぅ」



 倫子のお仕置きという言葉に正行は嫌な顔をした。


 女性のお仕置きという言葉に男というものは何かを感じ取り中には喜ぶような輩もいるらしい。しかし、正行はそんなことはない。むしろ、これから何が起こるのか察することができているからこそ嫌な顔をしたのだ。



 「嘘ついたら正行君の秘密、すべてバラすからね(ニコッ)」



 倫子は笑顔で正行に言う。


 正行はその言葉を聞いてぞっとした。


 正行の秘密……知られてはいけないことがある。それを倫子にはある時油断していたらバレてしまったのだ。だから、何としてでもその秘密を他の人にバラされないためにもいつもこの言葉が出てきた後の言葉は決まっていた。



 「倫子さんの言うこと聞くんで、その話はやめにしましょう」



 正行は素直に負けを認めて倫子の軍門に下った。


 仕方のないことだ。


 正行は秘密を守り通すためには仕方ないものだともう我慢している。



 「じゃあ、来てもらうよ」



 うん。


 正行はあーやっぱりそうかと思った。


 妙議団の本部に行くことを拒んでいるのに気づかれていたから倫子が正行の元に派遣されたのだと。


 仕方なく本部へ行くしかないのか。



 「わかりました」



 素直に正行は倫子について妙議団の本部へと向かった。

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