1、お見合い話は突然に?!≪6≫


「え、えええ縁談って、いったいぜんたいどこから降って来たんだ⁉」

 やっと……………本っっっっっ当にやっと、事態のに気が付いた李親子は、まるで鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしていた。

「し、知りませんよ、そんなこと。それはむしろ、私が一番聞きたいですっ‼」

 ここまで驚かれると思っていなかった私は、我知らず後ずさった。

 なんかちょっとびっくりした。伯父たちのこんな顔を見られるなんて。これは記念物きねんものかも。あ、でも結構面白いなぁ………………。

 ダメだ。完全に、頭が現実を受け付けようとしない。

(ダメダメ、もっとしっかりしないと…………)

 自分に言い聞かせる。

 私がそんなことをしているうちに、さっきの衝撃から立ち直ってきたのであろう、従兄リュートが、

「で、そのお相手は、誰なんだ?」

 と聞いてくる。

 あ、そういえば、まだ言っていなかったか。そう思った私は、

「お隣の国、アマリス大公国の公子、フェイルン・ファン・アマリス殿下です。伯父上や従兄あに上は、ご存じだと思うのですが?」と言う。

 その途端。

 伯父たちの目が、これまで以上に大きく開かれた。


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