第3話 C級クエストに挑戦だ
それから、行商の旅はつづいた。フラランスの王都まで旅をする。華の都パパリについたら、きっと、少しは商品も売れるだろう。それだけを希望に、つらい旅をつづける。
歩く。歩く。荷が崩れる。荷を組みなおす。
また、歩く。歩く。
役人が関所を作っていて、通行料を要求する。
「困ったぞ。こんな高い通行料は払えない」
頭を悩ました父は、役人に、なんとかもっと安く通してくれないか頼みに行ったが、
「おまえの妻を娼婦にでもしろ。顔も醜いばばあだが、ついてるものがついてればそれなりに売れるだろう。通行料を払えないものは通すわけにはいかん。無断で通った者は死刑にする」
と役人が行っている。
ぼくが噂で聞いた話では、国王はこんなところに関所をつくることを認めておらず、この領地を治める男爵が、新しい妾の屋敷を建てるためにお金が必要になり、通行料をとりたてるという重税を課すことに決めたらしい。
ぼくらに抵抗する方法はない。
ここを通れなければ、華の都パパリにはつけない。
父は、
「わたしたちの持っている最高級の時計を献上します。どうか、これで通してください」
と交渉した。役人は、賄賂として時計を受けとり、ぼくたち一家が関所を通る許可を出した。
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