新しい彼女

僕の新しい彼女の名前は、「杏」。

身長156cm 体重は秘密らしいが、いつも40kgと戦っているらしい。

杏は、僕の理想を固めて作ったような素晴らしい女性。


今日は僕の家で一緒に映画を見ている。

映画は楽しいがそれ以上に杏の表情を見ているのが楽しい。

悲しい場面では涙をため、楽しい場面では一緒に喜んでる。

映画が終わったあとの、満足気な杏を見るのも好きだ。


その後二人で近所のスーパーへ出かける。

手を繋いで、恋人みたいに。

今日は何が食べたいか聞いてくる杏に、僕は鍋料理と応える。

杏は嬉しそうに、私もと応える。

材料を購入して、家に戻ると杏が料理を作り始める。

最初は手伝おうとしたけど、邪魔になるからと毎回言われるうちに、料理をつくる杏を見守る係になった。


ふと、思う。

彼女とずっと一緒に居られたらいいなと。

どうか、杏をずっと好きでいられますように。


2年後…


TVから流れるニュース。

どうも新製品が出るらしい。

今なら旧版を下取りに出せば早期購入権を得ることができる。


杏をみる。

杏はとても良い笑顔で僕をみて、それから首をかしげた。

今日は何が食べたいか聞いてくる杏に、僕は「オフ」と応える。

杏は、表情を失う。


TVから流れるニュースのアナウンサーは繰り返す。

『僕の彼女に続く、シリーズ第2弾。僕の妹発売決定。』

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る