第30話 タイムリープ・3

 死んだように静かな空気が、そこにあった。

 閑散とした校舎には誰もおらず、青く薄暗い廊下はドライアイスのような冷気を湛えていた。

 だからこそ吉野泰介は、今が夜明け前だとすぐ気付いた。

 まだ日の光に暖められていない、静謐な空気。その全てを、肺が、皮膚が、瞳が、身体が、しっかりと覚えている。ぎい、と一歩踏み出したその場所で、床が微かな軋みを上げた。

 一年以上聞き続け、生活音としてすっかり身体に馴染んだ音。その音を聞いて、 泰介は鮮明に意識する。

 ここは、萩宮第一中学ではない。

 泰介達の通う、御崎川高校だ。

 そして、仁科要平はここにいない。

「にし、な……」

 いつの間にか行先を分断された同級生を泰介は呼んだが、呼び声は夜明け前の黙に溶け、余韻を残して消えた。ぎっと唇を噛んだ泰介は、牽制するように周囲を睨めつけ、思う。

 ――ここは、だ?

 最初は帰ってきたのかと思ったが、すぐに違うと気付いていた。

 泰介もまた、先程の仁科と同じ現象に巻き込まれたのだ。

 そしてどういうわけか、仁科とは道を違えてしまった。

 その理由も、意思も、泰介には何一つ分からない。だがここに来た以上、何も起こらないわけがなかった。

 それを見せられる為に、泰介はここへ連れてこられたのだ。

「……っ、くそっ!」

 だんっ、と強く床を踏みつける。ぎいっと床が突然の負荷に重く軋んだ。

 最悪だった。仁科を一人にしてしまった。泰介が一人になるのとはわけが違う。葵さえ見つかっていない状況で、仁科とはぐれてしまったのだ。

 別れ際の仁科を思い出す。萩宮の中学で在りし日の仁科要平と肩を並べて歩いていた、生前の少女を思い出す。それらを遠く眺めていた、仁科の顔を思い出す。

 能面のように白く、表情がなかった。

 淡々と過去を鑑賞する姿に、鬼気迫るものを感じた。あんな状態の仁科を、一人にするのは危険だ。泰介は拳を強く握り込み、廊下の果てを睨み付けた。

 ――絶対に、見つけてやる。

 葵も、仁科も。二人共だ。そして三人で、本当の御崎川へと帰るのだ。

 おそらくこの校舎は、ただの御崎川高校ではない。少なくとも葵と登校した御崎川高校は、もう日の出を迎えていた。

 この世界は、異質だ。それを分かっていても、探さなくてはならないのだ。

 ――こつ、とその時、足音を聞いた。

 廊下の突き当たりで、見覚えのある中学校の制服が揺れる。

 それを視認した瞬間、考えるより先に身体が動いた。

 老朽化の進んだ高校の床を、上履きを履いた足が蹴った。


     *


 靴を履き替える暇さえ惜しんで泰介は学校を飛び出したが、すぐに宮崎侑と思しき人影を見失ってしまった。

 街角を曲がる度に見えるのはスカートの端や揺れる茶髪ばかりで、本人の姿は一向に見えない。

 有り得ない事だった。本気で追いかけたら絶対追いつくはずなのだ。なのに小さな足音は、そんな泰介の自信を嘲笑うかのように常に前方を疾走した。その不可解さに焦りながら、泰介はいつしか自分が誘い出されている事に気づいていた。

 分かっていたが追うしかなく、徐々に白み始める外の空気はやはりしんと冷えていて、清涼感が仄かに香る。茫洋とした淡い色調の青空は、日の出と共にみるみる彩度を増していったが、それを差し引いても、空の青色は柔らかだ。

 秋の空を、連想した。

 もしかしたら、と泰介は思う。

 時間がほんの少し巻き戻っただけで、自分は御崎川に帰って来たのではないか、と。

 だがそんな期待は、何人もの通行人とすれ違う内にすぐ壊れた。

 犬の散歩をする女性、ランニング中の男性、出勤前だろうOL。その誰もが、金属バットを握り締め、しかも学校までの道を上履きで逆走する泰介に注意を払わなかったのだ。

 この状況が何を意味しているのか、二度目の経験なのでさすがに分かる。

 あの時と、同じなのだ。

 仁科と一緒だった、あの時と。

 きっと今の泰介は、透明人間同然だ。ここに存在しているのに、その証を立てられない。存在を肯定する他者が、誰もいない。己の正気だけが唯一の証という状況に驚かなかったといえば嘘になるが、麻痺とは怖いもので、今朝感じたほどの驚きはもうなかった。人から聞いた話なら歯牙にもかけなかっただろうが、己が現在進行形で体験している事は、否定したくてもできない。

 泰介は苛立ちながら、高校の最寄駅まで、侑を追い続けたが――やがて、走る速度を落とした。

 御崎南みさきみなみ駅。

「……」

 葵がひどく泣いていた事を、不意に思い出したのだ。

 小学三年のあの日。夜へと移ろう空の下。泰介は薄っぺらなポシェット一つ抱きしめて泣く葵を連れて、電車に乗った。葵の母を見舞う為だ。

 初めて子ども同士で乗った電車だと葵は後に語ったが、それは泰介とて同じだった。見知らぬ駅に子ども二人だけで切符を通して改札を抜けた時、眼前に広がる世界の広さに、緊張で腹の底が浮ついたのを覚えている。

 ようやく泣き止んだ葵の前で、怖気づく自分だけは絶対に見せたくなかった。そんな見栄を張りながら大股に歩いたこの場所が、毎日通学で通る駅になろうとは、あの時は思ってもみなかった。

 仁科とは先程はぐれたばかりだが、葵とはぐれてから結構な時間が経った気がする。だが日付や時間がころころ変わる所為で、体内時計は完全に狂っていた。

 駅構内の時計は午前六時を指していたが、知りたいのはこちらの時刻ではない。泰介は携帯を取り出したが、電源は切れたままだ。舌打ちと共に携帯を学ランのポケットへ落としながら、こんな展開をどこかで予期していた自分を感じ、非現実を基盤に思考している己に嫌でも気づかされた。

 歯噛みしながら泰介は、まだ閑散とした駅構内を一望し、宮崎侑らしき人影がやはり見当たらないのを確認すると手近なベンチにどっかと腰を下ろした。

 そして隣に葵の鞄を置くと、悪いとは思いながらも勝手にチャックを開けて、バットを中へ突っ込んだ。 葵の通学鞄を抱えて走るのは全く苦にならないが、金属バットの方は持ち慣れていない事もあって、かなり邪魔だったのだ。それでも有事の際はあった方が良いだろうという判断で、邪見にしつつも持ってきてしまった。グリップの部分は大幅にはみ出るが、これで荷物が持ちやすくなる。

 マジックで書かれた萩宮第一中学の文字に、自然と目が吸い寄せられる。

 消えた仁科の、母校の中学。

「……〝アリス〟、か」

 〝アリス〟を探せと、侑は言った。

 それは泰介かもしれないし、仁科や葵かもしれない。だが〝ゲーム〟参加者以外が〝アリス〟である可能性も含むという。

 自分さえも、疑わなければならない。そんな、不可解な〝ゲーム〟。

 だが泰介には、自分が侑の言う〝アリス〟だとはどうしても考え難かった。

 仁科が〝アリス〟。これはあり得る。葵が〝アリス〟。これも、あり得るかもしれない。何といってもメンバー唯一の女子だ。性別は関係ないと釘を刺されていたが、仁科も、葵も、二人共に疑わしい点がある。特に仁科に関しては、本人には悪いが泰介の中で筆頭容疑者だ。

 だが、自分――吉野泰介が、〝アリス〟。

 これだけは、絶対にあり得ない。泰介が〝アリス〟になり得る理由など一つもないのだ。自分と宮崎侑とは完全な他人であり、何の関係もないのだから。そう考えたところで、仁科との会話が蘇る。

 ――ここに、お前の写真と名前があるから。

 ――生きてる時から、吉野泰介って名前を知ってたかもしれない。

 そこまで回想が進むと、泰介の思考は一周し、結局葵の安否へと流れていくのだった。

「……」

 泰介が仮に、宮崎侑と接点があったのだとしても、だ。寧ろそうだとすると、余計に葵の〝ゲーム〟との接点が不明瞭になっていく。それが泰介の不安を掻き立てて落ち着かないのだ。

 悪意なら話は簡単なのだ。仁科が許せないとか、泰介が憎いとか。相手はこちらを知っているようなので、そういう話なら分かりやすい。

 だが、葵は謎だった。葵だけが、不明確なのだ。

 葵が、一番危険だ。そんな危惧が、何故か過る。

 アリスが不思議の国から、帰ってこられなくなったら。

 首を。

「……ちっ」

 嫌な言葉を思い出し、泰介は眉を顰める。

 それは、守って見せろという挑戦なのだろうか。〝アリス〟を守れと、侑は言っているのだろうか。それが誰なのかも分からないという、こんな状況下で――。


「ヒントをあげようか」


 声が、唐突に響いた。

「……っ!」

 ざわり、と肌が粟立った。

 背後からの呼びかけに泰介は身を強張らせ、次の瞬間ばっとベンチから飛び退きざまに振り向いた。

 見覚えのある制服姿。薄化粧に染めた髪。何かを見下げたような、それでいてどこか前向きにも思える、不思議な光を湛えた目。

「お前……!」

 宮崎侑だった。

 あれだけ追い駆けても追いつけなかった侑がいた。仁科要平の世界にいたあのままの姿で、ベンチ一つを挟んだ距離に立っている。

 一つ違う点があるとすれば、あの場所で中学二年の仁科しか眼中になかった彼女の目が、高校二年の自分に焦点を合わせているという事だろう。

 彼女には――泰介の姿が、見えているのだ。

「見えて当然。私は主催者だもの」

「なっ……」

 こちらの驚きを見透かしたように、宮崎侑はへらへらと笑った。

「〝ゲーム〟が早速行き詰ったみたいで面白くないんだもの。ねーえ、吉野君。もっと頑張って見せてよ」

「は?」

「退屈するじゃない。あなた、やる気あるの?」

「ふざけんなよ」

 泰介は侑を真っ向から睨み付け、すぐにその顔を見てたじろいだが、そんな内心の動揺などおくびにも出さずに凄んでみせた。

「振り回されてこっちは迷惑してるんだ。やる気云々の問題じゃねーんだよ」

「あら、〝アリス〟の首が落ちてもいいの?」

「誰かも知らねーよ。〝アリス〟なんて。知った事か」

「それが佐伯葵でも、同じような台詞が言えるかしら?」

 息巻く泰介を見る侑の口角が上がり、八重歯が覗いた。

「それとも仁科要平だったら? それでもあなたは、知らないなんて言えるかしら?」

「……〝アリス〟は、誰だ。吐け」

「あら怖い」

 くすくすと響く笑い声に、仁科の怯えの顔が脳裏を掠めた。感じ続けていた苛立ちが、質量を増して膨れ上がった。

「それで人質でも取ったつもりかよ? 俺はお前なんか怖くねえからな。お前に誰かが殺せるなんて、微塵も思っちゃいねえんだよ。……俺達を、帰らせろ。元の場所に……御崎川高校の教室に、帰らせろ」

 自分より頭一つ低い位置からこちらを見上げる少女を、泰介は恫喝を込めて威圧した。

「俺は〝ゲーム〟なんて興味ねえよ。そんなもんヤなんだよ。なあ、お前、何が不満なんだよ!? 仁科をそんなに殺したいのかよ! 葵に恨みでもあんのかよ! 俺に文句でもあんのかよ!」

 侑は無言だった。言葉どころか何の反応も返ってこない事に、泰介の苛立ちが臨界点に達し、何かが音を立ててぶち切れた。

「――ふざけんなぁぁあ!」

 きぃん、と耳鳴りがしそうなほどの静寂の中へ怒声が響き、余韻がうわんと轟いた。

 その、瞬間だった。

「……帰る場所、そこじゃないわよ」

 侑が、言った。

 突如としてすとんと感情の抜けた声に、泰介は咄嗟に反応できなかった。

「それが、ヒント」

 吐息のような侑の台詞を最後に、ざああ、と駅の入り口から構内に向けて、一際強い風が吹いた。おおん、と出口を失った風はまるで獣のような唸り声を上げて反響し、両者の間に枯葉の嵐が吹き荒れた。

 その時になって初めて泰介は、侑との会話の間とても静かだった事、そしてその侑が不意に目の前から消えた事に気づいたのだった。

 早朝の喧騒が、うっすらと場に戻っていた。

 侑の姿は、消えていた。溶けて消えるのでもなければ滲んで消えるのでもない。最初からそこにはそんな人間などいなかったかのように、何も、なかった。コップに満たした水に、さらに一滴を加えたような決壊。侑が消えたのを境に、明らかに時間が動き出していた。手品でも見せられた気分になりながら、泰介は震える拳を握りしめた。

「……」

 屈辱だった。何より自分の失態に凄まじい怒りが湧いた。せっかく敵が目の前に現れたというのに、泰介は反撃の好機をみすみす逃した上に、ヒントと称する謎の言葉しか得られなかったのだ。

 後悔しても、侑はいない。分かっていても悔しさと怒りに歯止めが利かなかった。泰介は乱暴な手つきで、葵の鞄を引っ掴んで肩に提げた。

 もう、のんびりと早朝の駅に座っている場合ではない。ましてやぶつけようのない怒りで我を忘れている場合でもなかった。

 ここへ来た事に、何か意味があるはずだ。そしてそれが〝ゲーム〟を理解する鍵になるに違いなかった。〝ゲーム〟など知った事かと思っていたが、こうなれば自棄だった。真相を解明した所でどうにかなるとも言われていないが、状況を改善できるのなら手を尽くすまでだ。

 そんな目で、もう一度泰介は辺りを見渡した。

 駅まで連れ回されたのだ。ここで無収穫などあり得なかったし、何も得られないのであれば、それこそ本当に宮崎侑など許せない。

 そして、手がかりは唐突に訪れた。


「――泰介!」


 名が、呼ばれた。

「!」

 息を吸い込む。

 泰介。自分を呼ぶ、女子生徒の声。

 背後から、聞こえた。駅の改札の方から、その声が。

 誰の、声か、なんて。その一言だけで、すぐに分かる。離れていた時間は今まで一緒に過ごした時間と比較したなら馬鹿馬鹿しいほど短かったはずのに、かなり長い時を別々に過ごした気がした。激しい怒りと安堵が、同時に胸に込み上げる。その感情が思いのほか熱っぽくて、一瞬息ができなくなる。

 泰介は、振り返った。

 そして――見つけた。

 黒髪が揺れ、セーラー服の裾が翻る。

 佐伯葵の姿を、そこに見つけた。

「あお……!」

 泰介は勢い込んで呼びかけたが、はっと気づき、声が止まる。一歩踏み出した足に慌ててブレーキをかけて、タイルの上に堆積した砂を蹴った。

 ばたばたばた……と、タイルを走る靴音が構内へ響く。よほど急いで走っているのか、その靴音は早朝の駅に異様に大きく響き渡った。

 ――佐伯葵が、走っている。

 だが、一人ではなかった。

 改札脇の切符売り場に向かって、駆け込んでくる人影が三人。女子は黒いセーラー服に赤いリボン。御崎川高校女子の制服だ。そんな女子生徒が、二人。

 葵と、それに。

「さく……!」

 泰介は呻く。

 秋沢あきさわさくらの姿が、そこにあった。

 三人の高校生は、息を切らせながら走っていた。葵は手ぶらだ。苦しそうに喘ぎながら、なんとか前方の二人についていこうと頑張っているのが見て取れる。

 そして問題は、三人目の男子生徒だった。

 何故か大型のボストンバッグを二つも肩からぶら提げて、必死の形相で走っている。その生徒はまるで罰ゲームのように荷物を身体に括り付けながらも、比較的しっかりした足取りで走っていた。だがその表情には現状に対するやるせなさや理不尽への憤懣が浮いていて、そんな顔のまま背後を振り返ったと思いきや「やばい、電車間に合わねえ!」と背後の二人へ焦りとも怒りともつかない檄を飛ばしていた。

 学ランと、短めの頭髪が揺れる。

 誰かなど、言うまでもなかった。

「なん、だよ……これ。なんで……なんで!」

 分かっている、つもりだった。

 これから何かが起こるとするなら、それは間違いなく仁科と共に経験したものと、同一のものに違いないと。何が来るのかまでは見通せなくとも、何かが起こる事だけは覚悟していた。そのつもりだったのだ。

 だが、これはどうだろう。

 目の前の葵は。さくらは。――吉野、泰介は。

 このメンバーで荷物を抱えて走る、その光景の意味は。

「……おい、……これ、過去じゃねえじゃん」

 葵達三人は大慌てで切符を買い、改札になだれ込んでいく。だがバッグ二つを抱えた泰介が改札でつっかえて、立ち止まられるとは思っていなかったらしい葵がその背中へ衝突した。盛大に転ぶ二人にさくらは腹を抱えて笑っていたが、通行人の邪魔になると気づくや否や、わたわたと葵を助け起こし、「泰介、邪魔なってるから! ほら!」と豪快に叫び、改札にめり込む形になった泰介を引き剥がしにかかっていた。起き上がった泰介が、さくらに文句を喚き散らす。

 ――自分だった。

 間違いようがない。自分だった。

 だが、こんな自分は知らなかった。

 泰介の背中に、嫌な汗が浮く。熱を帯びた身体から、血が下がっていくのがはっきり分かる。風邪を引いた時と同じ悪寒が、全身を貫いた。

「泰介っ、大丈夫? ごめんね、平気?」

 葵の指が、泰介の学ランへ伸びた。埃を払うような手つきで腕に触れられ、痛そうに顔を顰めながら泰介が立ち上がる。そして駅の時計を見て顔色を青くしながら、気を取り直したように叫んだ。


「行くぞ! これ以上修学旅行の時間削れたらヤバい!」


 それを、遠く聞きながら。

 泰介は、いつの間にか乾いていた唇を動かした。

「……。未来?」

 ぽつんと呟いた自分の声は、秋の冷風に吹き流された。

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