1話

ある春の日のこと__



私は故郷ふるさとを離れ、この街へとやって来ました!

朝早く起きて新幹線に乗り数時間、ついさっき、ようやく街の駅に到着したのです。


「ほげぇぇぇ〜〜〜〜〜!!」


駅の外に出て私の目に飛び込んできたのは、行き交うたくさんの人々とオシャレな建物、それから街路に植えられたカラフルなお花、そして人工的に作られた透明な水が流れる水路でした。


「すごくきれい………、すっごい街だなぁ〜!」


ウキウキとワクワクがとまりません!

私の故郷は山奥にある小さな村で、お店も少ししかありませんでした。だから、こんなにもたくさんの建物が並ぶ、いわば大都会に来たのも初めてで、思わず小さい頃に戻ったかのようにはしゃいじゃいます。

人もたくさんで、私と同い年ぐらいの女の子や男の子、それよりも小さな子達の姿もたくさん見えるし、大人の人達も、おじいさんやおばあさんの姿も多く見えます。

そのどれもがにこやかで、みんなほっこりとした笑顔です。


「あ、こんなことをしてる場合じゃなかった! お店を探さないと」


そうなのです。

私がこの街に来た理由、それはあるお店を訪れるためなのです。そのお店はこの街の中央にあるというビルの1階にあると聞いたのですが、私はこれからそこへ向かう途中なのです。

ふと腕時計を見てみると、なんともう15時になろうとしていました。そういえば、新幹線の中で眠っていたせいでお昼をまだ食べていません。


"ぐぅーーーーっ"


「うぅぅ……お腹すいちゃったな」


お腹の音が鳴ってしまった。

誰かに聞かれていたら恥ずかしいと思い、とっさにお腹を手でおさえて辺りを見渡したけど、どうやら誰にも聞かれてないみたい。よかった………。


「とりあえず、どこかで何か食べよう……うん、そうしようっ!!」



というわけで、私は少し遅めのお昼ご飯を摂ることにしたのです。

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