第1章 第5話 部曲将・藩宮

頭を下げたまま動くことができなかった。

関羽は取り立てに反対だと劉備に説きながら、

簡雍は我関せずと持ってきていた酒を煽りながら去っていった。



後日、四人の村へは劉備の言っていた通り遣いの者が来た。

使者に促されるまま徐州城の門をくぐった。


甘琳

「お馬さんなんて初めてでおしりが痛い…。」


蘇凌

「俺もだ…。」


彪淵

「2人とも鍛錬が足りないぜ!俺は二度目だからな。屁でもねぇぜ。」


太史衛

「淵、それは大袈裟だ。お前が乗ったことがあるのは牛だろう、馬は高貴な者や将軍でなければ乗れないだろう。」


そんな他愛のない話をしていると兵舎へ案内された。


簡雍

「おう、待ってたぜ。」


前に会った時と同じく、瓢箪に入った酒を煽りながら簡雍は待っていた。

前と違う点と言えば関羽の代わりに甲冑を身にまとった若い将校が一緒にいた。


「こちらが我が君が仰っていた若者ですか。」


簡雍

「あぁ、こいつらの面倒見てくれよ、頼んだぜ藩宮。」


藩宮

「私がですか?今朝の評定では確かそれは簡雍の仕事だったと思いますが。私はこれから調練があります。」


簡雍

「その調練に混ぜてくれよ。終わる頃にまた来よう。」


藩宮

「そういうことでしたらお引き受けいたします。」


簡雍はそう言い残し去っていった。


藩宮

「私は藩宮、字は文国と申す。我が君劉備殿に仕え一部隊の隊長をしている。さぁ、これから張将軍の下で調練がある。行こう。」


4人は促されるまま調練場へ向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る