④反戦を訴えている人達が見ているもの
敗戦の記憶
日本では、八月は戦争関係の行事が目白押しだ。八月六日、広島に原爆が投下された日、八月九日、長崎に原爆が投下された日、八月十五日、終戦記念日。
その頃になると、テレビや雑誌やその他なんでもかんでもが戦争や平和について語りたがるようになる。その人達はいっつもいっつも七十年も前の話をする。
確かに、第二次世界大戦で日本は酷い負け方をした。戦意喪失して当然だ。
お国のためだとかなんとか言って、若い人達の「闘争心」を掻き立てて、むちゃくちゃな作戦を立てて、あげくに負けたんだもんな。
でも、今生きている私達は七十年前にこだわっている場合じゃない。同じ戦争は二度と来ない。もし次に戦争する羽目になってしまったら、敵は誰でどんな武器でどんな戦法で攻めてくるのかを考えなければいけない。夏になると怪我自慢みたいに昔の戦争の話をし始める人達の話を真面目に聞いて、今現実に起こっている問題は「私わっかりませ~ん」という顔をしているわけにはいかない。
もしかしたら、戦争に備えることが「闘争心」と上手に向き合う方法かもしれない、と一瞬だけ思った。でも違う。それでは敗戦の教訓を活かさないことにもなるからだ。個人的なことで自分の「闘争心」を上手に盛り立てて頑張るのは結構、でも、間違っているかもしれない戦争のために「闘争心」を利用されて死に急ぐのはダメだ。絶対ダメだ。
それに、やられたらやり返すみたいなノリで戦いに突入していった国がここ最近余計な争いを生んで大変になっていることも見てきている。
平和を訴える日本がしなければいけないことは何だろう。平和が大前提とはいえ、米軍基地はあるし、海の向こうにはミサイル飛ばしてくる国があるし、もっと遠くの戦争している国ともうまく付き合わないと物資に困ってしまうのがこの国だ。
「闘争心」をなくすことはできないし、使うべき時を間違えると最悪だ。
どうしたらいい? また迷宮入りしてしまった。
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