第二章 世界情勢

①本当に戦争と直接関わっている国々

同時多発テロ、ISIS、Je suis Charlieなどなど

 日本は戦争をしていないけど、世界中はまだ紛争やテロが絶えないし、日本も少なからず被害を受けている。

 アルジェリアで日揮の社員が人質にされ、日本人が犠牲になった事件がある。ISISに湯川遥菜さんとジャーナリストの後藤健二さんが殺害される事件もあった。その時、日本人は何を思った? 会社の指示で赴任していた日揮の社員には同情したが、自分の意思でシリアに行った湯川さんと後藤さんのことは、心配する人と自業自得だという人の二通りいたと思う。

 日本人は関係ないのだから、危険な国に行かなければいいだけの話だと思っているのかもしれないけど、そうじゃないからこうした事件が起こっているんだ。日本は各地で起こっている紛争やテロと関係ないわけない。行かなければよかったで済む話ではない。


 それなら、日本も安保法をいつでも執行できる準備を整えて、戦いに参加すればいい? それは違う。何故って、それでは「闘争心」かあるいは一般人には知られていない見えない力に操られているだけで、賢明な判断とは言えないからだ。


 アメリカで同時多発テロが起こった時、アメリカは報復をした。それはもう復讐と変わらない。犠牲になった人達のことを思えば、気持ちはわからなくもないが、そもそもの原因は欧米列強そのものじゃないか。

 ヨーロッパなどの国に住んでいる若いイスラム教徒の人達がISISに志願している問題がある。日本に住んでいるとわからないけど、ヨーロッパの国にはイスラム教徒が多く住む地域があったりして、明らかなすみ分けがされていたり、宗教的な装束を外出時に規制されたり、差別に近いことが行われている現状があるらしい。イスラム教徒の若者たちの自尊心を先に傷つけたのはテロ被害に遭った側なんだ。

 フランスで大規模なテロがあった時、“Je suis Charlie”, ”I am Charlie”,「私はシャルリ」と書いたプラカードを持ったり、自分のSNSのアイコンをトリコロールにしたりすることが流行した。日本でテロが起こったらきっと自粛モードに入っただろうが、フランスはテロには屈しないでいつも通りの日常を送ると対抗意識を燃やしていた。


 それで、解決したんだっけ? そんな早く解決する問題じゃないのはわかっているけど、状況が改善したようには思えない。世間には様々な思惑があって、利益を得る人達がいて、それによって見逃されることと大事にされることが出てくる。誰かと対立した時に「闘争心」を剥き出しにして、あるいは利用して、単純な問題を長い時間をかけて大きな問題にしてきたことを後悔するのもバカらしいのが現代なんだ。

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