避難は避難所へ行くことだけじゃない ~私が避難所へ行かなかった理由~
おはようございます、埴輪です!
お陰様で、私も母も台風19号を生き延びることができました!
今回は死も覚悟していたので、こうして無事に近況ノートを書けることが何よりも嬉しく、幸せだと実感しております!
その一方で、河川の氾濫など被害を受けている方々もいらっしゃいますので、手放しに喜ぶことはできませんが、だからこそ、日々当たり前のように享受している生きるということの大切さを噛み締めると共に、被害がこれ以上拡大しないことを切に願うばかりです!
──さて。
今回、私の住む場所は危険度が高く、近隣のコミュニティ会館から小中学校まで、全て避難所として開放される事態にもなりました。
それでも、私は避難所へ行くことはなく、自宅待機で乗り切りました。
一見すると、前述の覚悟と矛盾しているような行動であり、恒常性バイアスが働いていたのではないかと思われるかもしれませんが、私にとっては、それが最適な避難だったと確信しております。(後の文章をお読み頂ければお分かり頂けると思いますが、私は避難所へ行くべきではないと言っている訳ではありません)
そこで、私が自宅待機を決めた経緯などを、以下にまとめてみました。
──2019年10月12日土曜日。
三連休の初日とは思えないほど暗く、重苦しい一日が始まりました。
まず感じたのは、酷い眠気でした。
いつも通り寝たはずなのに、どうしてこんなに眠いのか……恐らくは、気圧の変化による体調不良(気象病)だと考えられますが、このまま一日中寝て過ごす訳にもいきませんので、いつも通り、ストレッチから私の一日はスタートしました
──午前11時頃。
選挙でしか使用されたことのないアナウンスが、避難勧告の発令を告げました。
ネットで検索すると、私の住んでいる地域は完全に避難勧告の対象であり、順次避難所が開設されていくとの情報を得ることができました。
その時点で、私は避難所へ行くか、自宅待機するかを考えることになりました。
長年この地域で暮らしていますが、避難勧告が出されたのは初めてのこと。
幸い、避難所に指定されている学校は徒歩数分の場所にあり、まだ大雨という段階ですから、避難所へ移動することにも問題はありません。
ただ、これだけ避難所が近くなのに、避難所へ移動する意味はあるのだろうか……などと考えながら、自治体のホームページを眺めていると、「身の危険を感じている方は」という一節を目にしました。
……なるほど、避難勧告は対象地域に住んでいる全ての人を対象にしている訳ではなく、身の危険を感じている人を受け入れる場所なのだと、私は判断しました。
そこで改めて、家の状況を点検してみると、停電もなく、断水もなく、いつもと特に変わらない状況であり、身の危険を感じることはありませんでしたので、もう少し、様子を見てみることにしました。
午後になると近隣の小中学校が全て避難所となり、避難勧告の対象者が数十万人に上っているとの情報を得て、私は再びどうするべきかを考えることにしました。
そこで気になっていたのは、避難勧告の対象者が数十万人にも上っているという情報で、近隣の全ての小中学校が避難所になったとはいえ、とても数十万人も受け入れることはできないだろうと、私は考えていました。
事実、自治体のホームページでは、あらかじめ避難所として開放されていたコミュニティ会館が満杯になり、他の避難所へ行くようにと勧められていました。
また、これまでに入手した避難所の情報から、避難所で物資が支給されることはなく、物資は持参するものだと分かっていたため、避難所は文字通り非難する場所であり、このまま家にいても仕方がない人が行く場所だと感じていました。
その一方で、私の家は依然として停電もなく、断水もなく、いつもと変わらない状況だったので、引き続き、様子を見てみることにしました。
……とはいえ、何もしていなかったわけではありません。
私はまず、シャワーを浴びました。
断水したら、しばらくシャワーは浴びれませんからね!
シャワーを浴びた後は浴槽を洗い、水を溜めることにしました。
また、入手経路を全く覚えていないのですが、自宅に10リットル入るウォータータンクが未開封状態で保管されていたので開封し、水を溜めました。
そして、懐中電灯に乾電池を装填し、停電に備えました。
その後、膠着状態が続いていたので、私は昼食をとり、不謹慎なようですがお酒も飲み……正直、飲まないとやってられない心境でしたので……、「仮面ライダー」及び「仮面ライダークウガ」を東映特撮ファンクラブで鑑賞していました。
それから、もし避難することになったら寝ることは難しいと判断し、アルコールも入っていたこともあり、少し眠ることにしました。
熟睡はできず、夕方に目を覚ますと、アナウンスの内容が変わっていました。
台風接近により風雨が強まるので、外出せずに安全な場所で留まるように……そのアナウンスを受けて、私は自宅待機で乗り切ることを決めました。
ただ、そこで問題になってくるのが、河川の氾濫でした。
私の住む地域は河川が氾濫したら壊滅的な被害を受けるため、停電よりも、断水よりも、何よりも、河川の氾濫に対する備えが必須となっていました。
そうなると、避難所へ行っていた方が良かったのかもしれませんが、今更焦って避難所へ向かうよりも、今できることを考えた結果、河川の氾濫により自宅から出ることになった場合、持ち出す荷物を厳選し、リュックに詰めることにしました。
ちなみに、リュックの中身は以下のようなものになりました。
・財布
・クレジットカード
・預金通帳
・ハンコ
・パスポート
・年金手帳
・各種の契約書
・USBメモリー
・ポメラ
・エネループ
・折り畳み傘
・タオル
・社員証
・イヤホン
私の住むアパートは二階建てなので、一階にある私の家が水没しそうな場合は、リュックを持って二階へ上がろうと考えていました。
問題は、水位がそれ以上に上がってしまった場合です。
アパートの構造上、水位が上がると屋根に挟まれて溺死してしまうので、そうなる前に泳いで脱出し、屋根の上へと移動する必要があります。
そうなると、リュックは完全に水没することになるため、上記の中身をゴミ袋に入れた上で、リュックの中に入れ直すことにしました。
これでもう、やれるだけのことはやったし、いざという時の覚悟を決めた私は、いつも通りFF14をプレイすることにしました。
風雨は強くなりましたが、停電もなく、断水もなく、時は流れで0時を過ぎる頃にはすっかり静かになっていたので、眠気と共にログアウトし、就寝しました。
……以上が、昨日の顛末です。
客観的に見れば、とても最適とは言い難い避難だったと思いますが、自分で情報を集め、判断し、覚悟を決めた上で行動できたことは、良かったと思います。
台風の備えについては、本当に様々な情報が出回っていました。
それらの情報を参考にすることは有意義なことだと思いますが、それらの情報を鵜呑みしてしまっていた方も、少なくなかったのではないかと思います。
どんなに有用な備えであっても、全ての人に有効な訳ではありません。
それでも、情報通りの備えができれば安心、できなければ不安と考えてしまうと、本当の意味での備え、引いては避難ができないのではないかと思うのです。
私が今回得た台風情報の中で、特に印象的だったのは「避難は避難所へ行くことだけではありません」という防災士さんの言葉です。
難を避けるための行動……それが避難であるということは、避難の方法は人それぞれであるということも、意味しているのではないかと思います。
私も家の状態がもっと酷かったら……停電し、断水し、ここまま家にいても仕方がないという状況だったら、避難所へ行っていたと思います。
そうした状況の見極めや、どうするべきかという判断を、誰でもない自分自身が決めること……それが、本当の備えであり、避難なのではないかと私は思います。
……ネタなのか、本当なのか、この台風でも出勤を強要するような会社があるという報告を、Twitter上で多数目にしました。
そんな会社が実在するとしたら、それはもう大問題ですが、そんな会社の指示に従って、実際に出勤してしまう人がいることもまた、問題ではないかと思います。
会社が、皆が、誰かが、ではなく、自分がどうしたいのか。
それを考えることは、台風という非日常時だけではなく、日常を生きていくためにも必要なことだと私は思います。
……と、こうやって色々と考えて、書くことができるのも生きていればこそ。
これほどの風雨にさらされても停電せず、断水せず、河川も氾濫しなかった私の地域を思うと、それらを作り上げた人達への感謝の念に堪えません!
また、この非常時に的確なアナウンスを行い、速やかに避難所を開設した自治体の方々の奮闘も素晴らしかったと思います!
私はこれからもこの地域で暮らしていきたいと思いますし、また、何が起こっても自分で判断して行動していきたいなと思います!
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