遥か彼方に輝く星に映る英雄

 それは、少し暖かくなってきた頃。

 会社からの帰り道、暗くなった空を見上げながら歩いていた。

 

 ……星は見えないか。

 思い出補正かもしれないけど、子供の頃はもっと見えていたような気がするなあ。


 特に夕暮れ時に明るく輝く星。

 あれを見つけた時はテンション上がってたよなあ。

 ふう……。



 

 家に帰り、深夜。

 部屋の窓から空を眺めつつ、ゆっくりと酒が入ったコップを傾けていた。


 ……速攻で大泣きすると思ってたけど、全然だな。

 いや、後でジワジワ来るだろな。

 も、もそうだったんだから。


 


 ……ん?

 もう酔っちまったかな。

 あの頃のように輝いている星が、はっきりと見える。

 

 その光の中にあの頃、いや今もこれからも憧れる英雄の姿が……。



  

 ……長い間お疲れ様でした。

 ゆっくりお休みください。 

 

 そうだ、気が向いたらそこから見守っていてください。

 あなたという英雄に憧れる僕達を……。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る