この列車は行き先を変更しました
ある日の仕事帰りの事だった。
時刻は終電間際。
僕は最寄りの始発駅から電車に乗った。
先に座っていた疲れた顔してる若い女性、一杯やってたのか上機嫌な年配の男性などを横目に席に座り、スマホでサイトを見ることにした。
発車して二十分位経ったか、ふと顔をあげ向かいの窓の外を見た。
そこに映っていたのは銀色の砂嵐。
テレビが映らない時のあれみたいだった。
これはいったい何だ?
その時車内放送が聞こえてきた。
「お客様にお知らせします。この列車は行き先を異世界行きに変更しました」
「はぁ!? 」
そこで意識が途切れた。
次に気がついた時、窓の外には普通の住宅の灯り。
もうじき降りる駅に着くところだった。
「夢か。しかしアホな夢見たもんだな。いや、もしかして」
少し不安になって辺りを見ると
疲れた顔の口裂け女
赤い顔で寝ているのっぺらぼう
それを起こそうとしている一つ目小僧の車掌さん。
うん、やっぱ異世界じゃない。
普通の世界だわ。
僕は安心して電車を降り、家路についた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます