ミチル←→アキラ 4(Last)


「あ、彰! 今帰り?」

「あれ? 一美? まだ残ってたの?」

「うん。帰えろうとしたんだけど、ちょっと先生に用事を頼まれちゃって……」

「そうなんだ」

「うん」

彰の頬に涙の跡があるのは分かるけど。今はそっとしておいてあげよう。でも、いつかは聞かせてね。今日の物語を。君の物語を。


──その数日後──


俺事三枝彰には現在2股疑惑がかかっている。

全く。迷惑な話だ。俺は一美一筋だっちゅうの!

「ねえ、あき君。今日どっか寄って帰らない?」

「い、いやあ。今日はな……」

「ちょっと、皆坂さん。彰から離れてよ……」

「え~? 嫌だよ。いい? 彰はね、本当は私みたいな元気な女の子が好きなの!」

「え? どういうこと。ねえ。彰……? 説明……して」

もの凄く怖い眼で睨み付けられている。あ、これは死んだわ……。

「いや、一美! 違う! 俺は一美が1番だから!」

「でも、私とお話したいんだもんね?」

「いや、るみちゃん! 話をややこしくしないで」

「……浮気者(ぼそっ)」

はあ……。どうも俺の受難は始まったばかりだったようだな……。

後ろに居るニヤけた幸平は助けてくれないだろうしなあ……。

ああ~。先が思いやられる……あと1年どうやって過ごしたら良いんだよ……。

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ライン←→ライン 暴走紅茶 @bousoutea

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