ミチル←→アキラ 2
当日になった。なんと! 我がクラスは優勝できた! きっと、これも皆坂の御陰なんだよね! って分かってはいるけれど。
「やったーー! 一美! 優勝だ~~~~」
「うん! 彰! 優勝だよ!」
「「いえ~~~~~~~い」」
勿論俺は一美と、ハイタッチからのハグで、優勝の喜びを分かち合っていた。
↑↓
なんで? 今回は私じゃないの? 何で? なんで? 勇気を出せ! 私!
↑↓
では、帰るか。
「あ、三枝。待って。」
「ん? 皆坂。どうした?」
「話があるの。みんなが居なくなるまで待って」
「? おう。良いけど」
何かを思い詰めたような揚子に、少し気圧され、
「一美~。悪いけど1人で帰ってくれ~。あ、あと幸平も」
一美と、もう1人にそう声をかけた。
「俺はおまけかよ」
「え~~? 待ってるよ~」
「いや、長く待たせそうだからさ。いいよ。先帰ってて」
「うん。分かった!」
「そして、無視か!」
「あ、幸平まだ居たんだ。何1人でアツくなってるの?」
「お前の所為だ!」
そんなこんなで、もうクラスには誰も居ない。聞こえて来るのは音楽部が奏でる楽器の音くらいだ。
「あ、あのね。三枝……
夕日が差し据える教室で、皆坂が少し焦るように口を開いた。
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