W氏の日常

こまたろう

第1話 腹たつことしかない

これから書く話はすべて実話である。

僕の職場にW氏という男がいる。

彼は絵に描いたような生粋のクレーマー資質だ。

そのことを頭に入れた上で読んでいただきたい。


過去のことを書いてもつまらないので、今日からリアルタイムでお伝えすることにする。


2016年3月9日


今日も朝からW氏は絶好調だ。

事務所に入ってくるなり

W氏「今日最悪じゃないですか!!朝から僕は激おこですよ!!」

僕「どうしたの?」

W氏「今日雨じゃないですか!!もう最悪です」


W氏の髪は濡れていない。何にこんなに腹を立てているんだ、こいつは。


僕「何があったの?」

W氏「僕雨めっちゃ嫌いなんですよ!何なんですかこれ!」

そう言ってW氏は自分が履いているズボンを僕に見せた。

なるほど。これは恥ずかしい。


W氏「僕原付できてるじゃないですか!だからこんな感じになって本当に腹たってるんです!」

W氏が原付に乗っていることは職場では有名だ。

事故りまくっていることも有名だ。


僕「しょうがないじゃない。原付なんだからそうなるのは不思議じゃないよ」

W氏「いや、腹たつでしょ!!雨死ね!マジ死ね!!でもね、僕は頑張りましたよ!!」


そう言って彼は僕に自らの股間の部分を指差して誇らしげに言った。


W氏「ほら!ね?股間が濡れてたらおしっこしたみたいになるじゃないですか!だからそうはならないように濡れないように濡れないように頑張って意識してきたんです!!」


今日もW氏は絶好調だ。

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