第11話

 /拾



 世界に、終焉の鐘が鳴り響く。



 タルテトを始めとして、人間族の多くの街がたったの一日で無くなった。

 その被害は魔族でも止められなかった。魔族にはダルメト以外にも巨大な都市は幾つもあるが、その全てが一日ですべて消失した。

 更にそこで被害が止まることはなく、獣人の街までもが無くなり始めた。そして魔族と同じ様に、一日で主要な都市はすべて消失した。

 人間族ヒューマネイト魔族デモンドネイト獣人族ビーストネイト。三種族の主要な都市は、たったの三日で地図から消え失せることとなった。


 その次の日には、獣人族のが海に沈んだ。

 そして同時に、一部の獣人族に匿われていた古霊人族エルファネイトの部落が見つかり、壊滅。更にその古霊人族から無理矢理他の仲間の場所を聞き出し、次の日には古霊人族は絶滅した。


 そして次の日、魔族のを海に沈めた。


 六日。

 たったの六日で、地図に残ったのは人間族の大陸だけだった。


 明日は、運命の七日目。

 神が世界を創造した時間。それと同じ速度で、世界を壊していった。



 そしてその七日目、彼は目覚めた。

 永遠と言う呪いと共に。

 死ねないと言う、呪いと共に。

 不死と言う、呪いと共に。


 同時にその日、彼は人にして……神に至った。

 神殺しゴッドスレイヤーを持たずしても神を殺す力を持って。

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