キャッチコピーのテクニック?
第二回も引き続きキャッチコピーを考えていきます。
文章がやや偉そうな感じになっているのは自分流のエッセイの書き方のせいですので、どれどんな戯言を書いているのやらといった気持でソファで一服しながら読んで頂ければと思います。
*
キャッチコピーというのはお笑い芸人でいうところのいわばつかみ、というものだと思う。
そこで初めてのお客さんにも上手いことウケて客席が暖まればしめたもの。
この一番最初のとっかかりの部分で好印象をもってもらえれば、その後のネタがすっと入りやすくなる。
無事第一関門クリア、の運びだ。
……とここまで書いて例えがあまりよくなかった気がするので、小説本に例えを変えるとコピーは帯に当たる部分なのもしれない。
帯に書いてあるコピーで興味を惹ければじゃあ次はあらすじに……と自然に持っていけそうだ。
ライトノベルは大体裏表紙にあらすじが書いてあるので、手に取って裏返してもらったら晴れて第一関門クリア、となる。
そして更にあらすじを読んで「これは良さそう」「面白そうだな」となればいざ購入、という流れだと思う。
自分自身も本屋でいきなり飛び込みで買うときはそんな感じで買っている。
こんな感じに特定の本を買いに来た訳ではなくふらりと書店にやってきたまったく作者のことを知らない、ましてや趣味趣向も違うであろう新規の読み手に対してどこまで興味を持ってもらえるか、確実な正解はないのかもしれないけれど若干のテクニックはありそうな気がする。
じゃあその肝心のテクニックっていうのはどういうものなのだろう。
そういえば最近ネットニュースで見た中でもかなりのインパクトがあったもので
「人工知能が書いた小説」
というのがあったけれど、これをコピー調にして
「この小説は全て人工知能によって書かれました」
なんて売り文句が帯にあったら絶対手に取ってしまうのは間違いない(自分だけかもしれないけど)
この場合は大体の人にとって想像外の未知の情報かつ知りたがる情報に当たるのかもしれない。
知識欲というとやや御幣はあるかもしれないけれど、程度の差はあれそれに似た様なものは誰しもあるものだと思う。
なあんだ、それならそもそもテクニックなんてものは関係なく単純にインパクトとか知識欲を刺激するものにすればいいだけの話なのだろうか。
それは十分あるのかもしれない。
いや、でも筆者自身カクヨム内にもこれは上手い、と思ったコピーはいくらでもあるけどその全てがインパクト重視ばかりではないので、何かしら他のテクニックもありそうだ。
そこで改めて自分の以前考えたコピーを見返しながらふと気が付いたのは、その小説を一言で説明するキャッチコピーというのはちょっとした罠だと思う。
これはあくまで個人的な感覚なのだけれども(まあエッセイなんで当たり前なんですが)例えば水戸黄門みたいな時代劇もので、勧善懲悪、起承転結の流れも毎回大体同じでオムニバス形式の小説が読みたい人に
「水戸黄門好きにおすすめ!」
と非常に分かり易いコピーをつけたのなら、そういったものを求めている層には合致するのでじゃあ買う、じゃあ見るという非常にシンプルでスムーズな流れになるのだろうけれど、いざそこから外れる層にまで販路を拡大しようとすると、下手すれば見切りが早くなってしまう恐れがある。
特に挿絵も表紙もないネット投稿サイトだと、タイトルだけが違う表紙が同じ本がずらっと並んだような状態なのでひとつひとつの判断にかける時間はかなり短い。
その際にキャッチコピーのたった一文で
「ああなるほどそういう感じね」
みたいに「はい次」とやられてしまったら自分を含め作者としてはつい
「いやちょっと待ってよお客さん、それはあくまで主題的なものであってそこまでの紆余曲折なりの経緯や他にも色々魅力的な部分が……」
と説明したくなってしまう。
しかしそんなことはネット上では不可能だ。
ならば小説自体の説明はいっそあらすじに全部任せて、コピーはまずあらすじまで誘導できるような、興味関心を惹く目的に徹してみるのはどうだろう。
自分の中の客観性を総動員して、なんなら人に訊いてみたりして自分の書いた小説の中で一番人に興味を持ってもらえる部分は何だろう? と、とにかく片っ端から全部ひっくり返して興味を惹くキーワードを抽出してみるのはどうだろう。
お! この方法はなかなか良さそうだと筆者がつけてみたコピーは……
***
それでは次回こそは(まだ続きます)筆者自身が考えてみたコピーをネタに実際に人に訊いた良いコピー悪いコピーを分析、検証してみようかと思います。
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