回想【アリス・リィンハイム】
リィンハイム家は中流階級の貴族でした。
父・ジョン・リィンハイムは子爵の地位にある人。
小さいながらもリィンハイム商会として、色々な毛皮の生産・仕入れ・販売を行っていました。
しかし、森の減少や不況にあおられ、つつましやかな生活を強いられていました。
家庭もメイド二人、執事一人を雇うのが精一杯。
そして、もう一つ問題がありました。
夫婦揃って極度のお人好し。
……それが災いしました。
ある日、アリスが学校から帰宅すると違和感を覚えるほど薄暗かったのです。
胸騒ぎがアリスを襲います。
「…お父様?お母様?」
リビングには誰もいません。
寝室……。
フラフラとアリスは二人の寝室に向かいました。
そこには父と母が抱き合って眠っていたのです。
おかしいとアリスは思いました。
恐る恐る近くに行きます。
……既に二人は息をしていませんでした。
「いやぁぁぁぁぁぁ!!」
アリスは『絶望』を感じました。
メイドも執事も既に解雇されており、アリスは天涯孤独の身となったのです。
自分では何も出来ない無力な子ども……。
アリスは泣きました。
幾日も、幾日も。
そんなある日、アリスは立ち上がったのです。
思いました……。
『無謀でもいい、誰かを守りたい……。』
何も知らず、愛されてきた。
その想いを、今度はその誰かに……。
━━そして、『アリス』に選ばれたのでした━━
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