━━真っ暗闇にスポットライトが当たり、女性の後ろ姿が浮かび上がる。

『アリス』が真っ赤なドレスの女性を抱き締めて座っていた。━━

「皆さま、このままで失礼。

私の『世界』楽しんで頂けたかしら？」

━━そうこの世界は、『アリス』が造り出した世界━━

「色々謎を残しては、『シコリ』が残ってしまうわね。」

━━意味深な物言い。━━

「語り聞かせてあげるわ。

先ずは『アリス』たちについてかしら？」

━━『アリス』の笑い声が響く。━━

「たくさんの『アリス』……。

みんなみんな、何らかの形で『絶望』的な『宿命』を辿って、『生きる』意味を見い出せなかった者たち……。」

━━クスクス笑いに変わる。━━

「現実世界に帰った所で『帰る』場所なんてない、『要らない』者たちなのよ。」

━━笑いがぴたりと止まる。━━

「でも、この世界を揺るがすほどの…。

『絶望』を『転機』に変えるほどの強い眼差しの『アリス』が現れたの。」

━━虚空を見つめる。━━

「彼女が最後の『アリス』、アリス・リリィ。

本名をアリス・リィンハイム……。彼女の話をしましょうか…。」

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