第24話




それから、時代は流れ…戸籍というものに縛られる時代がやってきた。

その頃あたりから、俺はまともではない者とのつきあいが増えていった。

名前も何度も変えては戸籍を偽造した。

そうしなければ生きられなかったからだ。

仕事も、時には法律すれすれのやばいことをするようになった。





さらに、時は流れ、科学の発展と共に、タイムマシンというものが開発された。

俺が生まれた時代には、電気すらまだ一般的ではなかったというのに、時を超えて移動出来るというのだ。

だが、それはもちろん限られた者にしか使えないものだ。

時を遡り、過去の出来事に変更を加えれば未来が変わってしまうのだから。

だが、俺にはそれが天からの贈り物のように感じられた。

そうだ、タイムマシンこそが今の俺を救うことの出来る唯一のチャンスだ。

俺は、時空監視局に勤める者にコネを作った。

ディッキーというタイムポリス所属の若い男だ。

奴は堅物そうな見た目とは裏腹に、女とギャンブルに目がなく多額の借金を抱えている。


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