第16話

***





「畜生!!」




俺は、自分の感情が押さえきれず、グラスを床に叩き付けた。

それと同時に、店の片隅から掃除ロボットが現れて、床に飛び散ったガラスや酒はあっという間に綺麗さっぱり片付けられた。

さらに、店の従業員が酔い覚ましの薬を持って現れた。




「大丈夫だ。そんなものを飲まされる程、俺は酔っちゃいない。」


従業員が不服そうな顔で俺をみつめていたので、俺は支払いを済ませ、そのまま店を後にした。




(馬鹿野郎…

あのメッセージを送るのに一体、俺がどれほどのリスクを払ったかわかってるのか…)




心の中で愚痴を吐き、俺は瞬間移動機は使わず、とぼとぼと歩いて家に戻った。




ベッドに身体を沈め、何度もマットを拳で殴る…




(なぜ、俺の伝言を聞かなかったんだ…!!)




俺の頬を、一筋の熱い涙が流れた。


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