第4話
*
(ここだ…!)
あれから三日後、俺はとある寂れた町のはずれの森の中に立ち尽していた。
改めて手に持った地図をのぞきこみ、あたりの様子を照らし合わせる。
やはり間違いない。
ここだ…!
俺はついに目指していたゴールをみつけたんだ!
高鳴る胸を押さえ込み、俺は近くにあった座るのにちょうど都合の良い岩に腰を降ろした。
胸ポケットから取り出した煙草をくわえたが、マッチを擦る手が小刻みに震え、何本かを無駄にした。
(落ち着け…落ち着くんだ……)
ようやく火がつき、ゆっくりと吐き出した白い煙り越しに俺はぼんやりと空を見上げる。
空は俺には少し眩しく感じられる程、さわやかに青い……
そこに浮かんだ青は、それとは違い弱々しく微笑む老人の青い顔だった。
(爺ちゃん…俺…ついにここまで辿り着いたぜ……)
心の中で老人にそう伝えると、俺はあの日の…遠い昔のあの日のことを思い出していた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます