第2話

『白と黒の実は毒の実だ』




おそらく、他人ならそれを見ても何のことだかわからずに戸惑うだけだと思う。

けれど、俺には思い当たることがあった。

俺以外には誰も知らないはずのことを知ってる奴がいるのかと思うと、俺の心は不安感で埋め尽された。




これは、俺のことを思っての善意の警告なのか?

それとも、その逆なのか…

そもそも、誰なんだ?

しかも、どうしてこんな回りくどい方法を?

俺に直接言えばてっとり早いじゃないか。

それに、こんな短い文章をわざわざ印刷するなんて…

新聞社か何か、そういった所の関係者だろうか?

そうじゃなきゃ、印刷なんて出来る筈がない。

そんなことをするのは、筆跡を隠すためなのか?

それとも、別に理由があるのか…

理由…?そんなことをしなけりゃならない理由なんて思いつかない。

誰なんだ…?

誰が一体こんなことを…!?




俺は完全に混乱し、取り乱していた。

この伝言をどう受け止めたら良いのか、考えれば考える程、余計にわからなくなっていった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る